• ルパンを深掘り『カリオストロの城』で〈隠れ五ェ門〉を探せ!【金ロー】
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2023.05.04

ルパンを深掘り『カリオストロの城』で〈隠れ五ェ門〉を探せ!【金ロー】

原作:モンキー・パンチ (C)TMS


●ルパンを支える“相棒”と“用心棒”●
カジノから奪った金が「幻の偽札」と呼ばれるゴート札だと見抜いたルパンは、次元と共にその出処と噂されているヨーロッパの小国・カリオストロ公国へと向かう。
カリオストロに入国したルパンたちは車で追われるウェディング姿の少女と遭遇、追っ手を撃退するも結局、少女はルパンのもとに指輪を残して連れ去られてしまう。その少女こそ、カリオストロ公国の亡き大公の娘・クラリス。彼女を追っていたのは、カリオストロ公国の現在の統治者・カリオストロ伯爵だった。
指輪を見てクラリスとの遠い記憶を思い出したルパンは、クラリスを救うためにカリオストロ侯爵に挑むことを決意する。そして、助っ人としてあらためて五ェ門を呼び寄せるのだ。

相棒たる次元とは常に行動を共にしており、一緒に “仕事” をするのが自然と感じている様子のルパン。一方で用心棒の五ェ門は、ここ一番の大仕事になりそうな時に声をかける。この、それぞれの距離感のちょっとした差もルパン一味の味わい深いところ。
もちろんルパンと次元の、様々な場面で発揮される阿吽の呼吸、互いの腕を信頼するプロフェッショナル同士の信頼感を感じさせるやりとりも魅力的だが、今回は五ェ門のルパンに向ける信頼を感じさせるシーンに注目したい。

カリオストロ城に潜入するも、伯爵の罠にかかり地下牢獄に堕とされてしまったルパン。
次元と五ェ門はルパンの安否も不明なまま、じっと待つしかない。
隠れ場所でじっと城を監視し続け、次元に「どうだ、様子は?」と声を掛けられ「まだ動かぬ」と答える五ェ門――静けさに包まれた何気ない場面だが、おそらく五ェ門はルパンが無事であることを、そしていずれ動き出すことを、微塵も疑わず待ち続けている。その凜々しい横顔からルパンに対する強い信頼感が漂ってくるようだ。

●名セリフ連発!クライマックスの五ェ門劇場●

五ェ門の本作最大の見せ場は、作品全体のクライマクスでもあるカリオストロ城での大騒動。
伯爵とクラリスの結婚式を襲撃し、クラリスを救い出したルパン。次元、五ェ門は伯爵の部下である特殊部隊・カゲと激闘を繰り広げる。
ルパンと城を逃げ出すクラリスが、カゲの攻撃に応戦し追っ手を食い止める次元と五ェ門に丁寧に礼を述べると、五ェ門はこのうえなく優しい表情で「さ、ゆかれよ」と促す。
去って行くクラリスを見て思わず「可憐だ……」とつぶやき、次元に聞かれて思わず顔を赤らめる五ェ門は、何とも微笑ましい。
そして、多勢で襲いかかってくるカゲの集団に斬り込み、カゲたちが纏う硬い装甲を鮮やかに両断するや「今宵の斬鉄剣はひと味違うぞ!」とキメる。
「可憐だ……」「今宵の斬鉄剣はひと味違うぞ!」は、『ルパン三世』シリーズ全体の中でも屈指の名セリフとして知られており、「五ェ門と言えばこれ!」と強く印象に残っているファンも多いだろう。

実は本作で五ェ門のセリフは極端に少なく、登場シーンも限定されている。
それでいて、この存在感。そして記憶に残る名セリフが2つも。
『カリオストロの城』を通して、五ェ門というキャラクターの圧倒的な魅力と、その魅力を最高に活かしきった宮崎駿監督とスタッフ陣の手腕を、ぜひあらためて実感してほしい。

>>>【関連画像】こちらは最新版!『ルパン三世VSキャッツ・アイ』に登場した石川五ェ門

※宮崎駿の「崎」は立つ崎

原作:モンキー・パンチ (C)TMS

アニメージュプラス編集部

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