• 花江夏樹を魅了した『雄獅少年/ライオン少年』の獅子舞と成長ドラマ
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2023.05.27

花江夏樹を魅了した『雄獅少年/ライオン少年』の獅子舞と成長ドラマ

主人公・チュン役を演じた花江夏樹さん (C)BEIJING SPLENDID CULTURE & ENTERTAINMENT CO.,LTD (C)TIGER PICTURE ENTERTAINMENT LTD. All rights reserved.

現代中国を舞台に、格差社会の底辺から這い上がろうとする少年チュンの成長を熱き獅子舞バトルを通して描き、2021年に中国で大ヒットを記録した劇場アニメ『雄獅少年/ライオン少年』日本語吹替版が、現在劇場公開中だ。
吹替版で主人公チュン役を演じた花江夏樹さんに、作品やキャラクターの魅力についてたっぷりと語ってもらった。

──本作出演が決まった際の感想をお聞かせください。

花江 獅子舞がテーマの作品と聞いて「どういう作品なんだろう?」と、すごく興味を持ちました。だって異世界に行って無双する話だったら幾つも思い浮かびますけれど、「獅子舞で全国制覇する話」ですからね(笑)。

そもそも獅子舞って僕の中ではお正月のお祭りのイメージしかなくて。でも、中国の獅子舞って伝統芸能というだけでなく、競技にもなっていることをこの作品で初めて知りました。あんな狭い足場を獅子頭を被ったままで飛び回ることが本当に出来るのかって思ったんですが、リアルの競技映像を観せてもらったら、まったく同じでビックリしました。

そんな新鮮なテーマに加えて、会場の観客一人ひとりまで描き込まれた美しいCGアニメ、夢に向かって突き進むチュンたちの成長、スポ根チックに逆境を乗り越えていく熱いドラマ展開など様々な要素が絡み合って、トータルで素晴らしい作品として仕上がっているな、と思っています。

──花江さんが演じる主人公・チュンはどんな少年でしょうか?

花江 一見ヒョロヒョロっとした印象ですけれど、自分の中にちゃんとした芯が通っている男の子です。獅子舞や家族に対する思いは最後までブレることがないし、むしろどんどん強まっていくんです。そこに、カッコ良さを感じましたね。

──チュンを演じるにあたって、特に気を付けたことはありましたか。

花江 物語の最初と最後で彼の声を聞き比べた時、チュンの覚悟や成長が感じられるように、グラデーションを付けて演じられたらと思いました。
感情をむき出しにするシーンも多いので、その度に「どのくらい感情を爆発させるべきか」というところろにこだわって、何回も録り直しをさせてもらいました。

──オリジナル版の役者さんの演技なども参考にされたのでしょうか。

花江 勿論参考にしましたが、年齢感や芝居の雰囲気みたいなもの以外は、あまりそちらに引っ張られすぎないように意識しました。
中国語を喋る口に日本語のセリフを合わせたり、パキパキと切り替わる表情毎に芝居を上手くあてていくのは大変でした。

──演じていて特に難しかった、また楽しかったシーンは?

花江 チュンの顔が見えない獅子舞のアクションシーンで、結構な速さの動きの中でずっとアドリブのセリフを入れていかなければならなくて、そこは難しかったです。
楽しかったのはライオンの叫びの真似です。「カーッ!」みたいに叫ぶシーンは、やっていて気持ち良かったです(笑)。

──中国発のアニメだからこそこだわった点などはありますか?

花江 中国の方にとっては当たり前のものでも、僕にとってはその情景や文化って全然馴染みがないものだったりするんです。そこをどのくらいちゃんと理解して、チュンを自分の中に近付けることが出来るのかは一つの課題ではありました。

──ヒロインのチュンには、どんな印象を抱きましたか。

花江 僕の演じるチュンと同じ名前の、獅子舞がすごく上手な女の子です。彼女との衝撃的な出会いからチュンは獅子舞を始めることになるんですが、彼女にとっても自分が諦めた獅子舞の夢をチュンに託すみたいな思いもあったのかもしれません。そんな風にお互いが影響を与えあっている関係なのかな、と演じながら感じていました。

──チュン役を演じた桜田ひよりさんの演技はいかがでしたか?

花江 獅子舞をやっている時と普段のイメージの違いが、桜田さんの声によってより際立っていった印象があります。あれだけすごい動きをしているのに、普通に喋ると年相応の女の子という、そんな幼さと危うさを感じさせる声と演技だったと思います。

(C)BEIJING SPLENDID CULTURE & ENTERTAINMENT CO.,LTD
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アニメージュプラス編集部

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