• アブソリュートディアボロが持つ信念を見せていきたい 小川輝晃インタビュー
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2023.06.24

アブソリュートディアボロが持つ信念を見せていきたい 小川輝晃インタビュー

(C)円谷プロ



◆愛すべき特撮という文化◆

――『ギャラファイ』シリーズ自体については、どのような印象をお持ちですか?

小川 TVシリーズとは全く違う立ち位置で話が進んでいく、その在り方が興味深いです。地球人が全く登場しないのに成立させていて、アブソリューティアンたちのバックボーンもドンドン掘り下げていく。フィクションなのに、宇宙のどこかの星で戦っているんじゃないかと思える。それを日本だけでなく、世界中の人が感じられるのが面白いなと。しかも、映像が非常に美しい。グリーンバックの前で撮影したものに、合成やCGを加えるという作り方で、それらの特殊効果が映像の中で全く浮いていない。『アベンジャーズ』などのバジェットがかかった映画と比べても、負けていないと感じられる出来の作品だと思います。実際に世界中で配信されて、ちゃんと通用しているのが嬉しいですね。

――演出家をされている小川さんから見ても、目を見張るところがあると。

小川 そうですね。ヒーローを生み出す仕事をしたり、海外でイベントをやったりしているからこそ、特撮は日本独自の文化だと実感していて。時代劇の名乗りや見え切りの文化を踏襲している特撮は、時代劇の立ち位置も引き継いでいくべきじゃないかと僕は思うんです。スーパー歌舞伎が話題になったように、ネオ時代劇じゃないですが、特撮が新しい時代劇のカテゴリーを拓いてほしいなと。僕自身もクリエイターとして、特撮は日本が生み出したものだという自負を持ち、これからも様式美の良さを残していきたいなと思っています。

――小川さんご自身の今後の活動にも期待しています。『ギャラファイ』シリーズはこれからも続いていくと思いますが、ディアボロとして共演してみたいヒーローや怪獣はいますか?

小川 ウルトラマンパワードとは戦ってみたいです、絶対に! 日本語版だと森川(智之)さんが声を当てているんですが、英語版ではケイン(・コスギ)が演じていて。いつの日か、パワードとのカクレンジャー対決をやりたいですね。

(C)円谷プロ

――土田大さんも『ウルトラマンデッカー』にHANE2役で出演しているので、ゆくゆくは『ギャラファイ』で共演する日が来るかもしれません。

小川 それはやるべきですよね! ぜひ実現してほしいです。怪獣だとピグモンやカネゴンみたいな、悪意のない怪獣と共演してみたい。ディアボロは今のところ悪さしかしていないから、アブソリューティアンの中で誰よりも悪人なイメージがある気がして。愛らしい怪獣たちとの交流で、ディアボロも悪いところばかりではないと見せていきたいですね。

――最後にファンへメッセージをお願いします!

小川 皆さん基本的にウルトラマン側の視点に立って観ていると思うんですが、たまにはアブソリューティアンに寄り添って観ていただけたら嬉しいです。そういう見方ができるくらい、いろいろな角度で楽しめる作品ではないかなと。僕は最初、正直なことを言えばウルトラマンを演じたかったと思ったのですが、ディアボロへの愛着がだんだんと湧いてきました。何度でも復活できるから、いろいろなシリーズに絡める可能性がありますし(笑)。バルタン星人やゼットンには及ばないかもしれませんが、これからディアボロをより魅力的な存在にしていければと思っています。

<Profile>
おがわ・てるあき
8月29日生まれ。大阪府出身。81プロデュース所属。声優・俳優としてだけでなく、モーションアクター、クリエイターとしても活躍。代表作に『忍者戦隊カクレンジャー』(サスケ/ニンジャレッド役)など

アニメージュプラス編集部

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