• 映画『ザ・フラッシュ』細谷佳正は、実は山寺宏一の後輩だった!
  • 映画『ザ・フラッシュ』細谷佳正は、実は山寺宏一の後輩だった!
2023.06.16

映画『ザ・フラッシュ』細谷佳正は、実は山寺宏一の後輩だった!

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■完成したものを劇場で観て、そこで初めて楽しめる(山寺宏一)

――細谷さんは、同じキャラクターを演じるにあたって、何か事前に準備されたことはありましたか?

細谷:台本をもらって映像でリハーサルしないと内容はわからないので、前もって何か準備するっていうことはなかったです。三好音響監督にアフレコに入る前に試写を見ておいた方がいいって言われてて。情報漏洩を防ぐために、僕らがリハーサルで使う映像は白黒で肝心なところはモザイクがかかっているんですよ。だから、準備したことといえば、試写会で色が付いた映像を観ることですね。試写会で観ておいてよかったなって思ったことは「こういう映画なんだ」ということが分かったってこと。エズラ・ミラーさんの演技は、単館映画のアート作品のような細かいお芝居で、彼がやろうとしていたことが理解できたので、僕も彼と同じところに意識をフォーカスすることができました。

――山寺さんは、これまでにも多くの作品でバットマンを演じられてきましたけど、今作『ザ・フラッシュ』におけるバットマンは、どういうところを意識しましたか?

山寺:今回は引退しているバットマンですから、シチュエーション的にはこれまでのバットマンとは少し違うのですが、とにかく我々は吹き替えですから。マイケル・キートンがどんなお芝居をして、この作品におけるバットマン/ブルース・ウェインはどういう立ち位置なのか、自分はどういう演技を求められているのか、それを一生懸命読み取ることに心血を注ぎました。マイケル・キートンも微妙で分かりやすくない芝居をする捉えどころの無い人で、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でも、そんなに明からさまではないけど、本当にその人に見えるみたいな演技をしていて。スタンドアップコメディ出身の人だけれどナチュラルな芝居をできるのが、彼のいいところだと思って、そういうところをきめ細かく吹き替えできたらいいなという思いで演じました。だから僕が作品を楽しめるのは、完成したものを劇場で観る時で、そこで初めて楽しめるのかなって。

■“誰でもやり直しがきく”というメッセージ(細谷佳正)

――では最後に、お二人のオススメのシーンを教えてください。

山寺:現代とはちょっと違うバットマンだったり、もともとは存在しなかったスーパーガールなど、バリーの行動によって巡り会ったヒーローたちが、どう共闘してピンチを切り抜けて行くのか。過去のバリーと今のバリーがどう分かり合っていくのか、そういう過程も一つの見所だと思いますね。最終的には、そんなことよりも何よりも、親子の絆の話に帰結するんですけど…とにかくアクションがすごいし、コメディ要素もあるし。冒頭のシーンなんか本当にすごくてね。かつて僕がやっていた頃のフラッシュとは、だいぶ違うな〜って(笑)。

細谷:2人のバリー・アレンが出て来るところとか、往年のいろいろなバットマンやスーパーガールが出て来るところとか、予告だけみても見所がいっぱいなんです。でも僕は、派手な見た目をしてるんですけど、“寛容さ”みたいなものを伝えているなという風に感じました。今、著名人が何か良くないことをすると、糾弾されて社会に復帰することが難しくなりますよね。バリーは、母親への愛情が理由で決して弄ってはいけない過去に行って変えようとする。でもそれやってしまったら、世界が崩壊するかもしれない。ある視点では美しいけれど、別の視点では大罪。でもそれを許そうとするシーンもあるんですよね。例えばバットマンからもらう言葉とか。そういうシーンを観て、きっとこの映画は“誰でもやり直しがきくんだよ”ということを、万人が受け入れやすいエンターテインメントという形で伝えたいのかなと思いました。


アニメージュプラス編集部

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