• 松本零士が『わが青春のアルカディア』で盟友ハーロックと過ごした時間【日曜アニメ劇場】
  • 松本零士が『わが青春のアルカディア』で盟友ハーロックと過ごした時間【日曜アニメ劇場】
2023.06.23

松本零士が『わが青春のアルカディア』で盟友ハーロックと過ごした時間【日曜アニメ劇場】

(C)松本零士・東急エージェンシー・東映


さらに本作を観てみると、今となっては非常に感慨深く見逃せないシーンがある。それは「松本零士さんの出演シーン」だ。

映画が始まって間もなくの場面、戦いに敗れたハーロックはデスシャドウ号に避難民を乗せてイルミダスに占領された地球に帰還する。
避難民が艦を降りようとするとハーロックを武装解除させるためにイルミダス軍(実は物語で重要な役割を果たすキャラクター・ゾルとその部下)が駆け込んできて、髑髏の描かれたカバンを持つひとりの避難民を突き飛ばす。この避難民が松本さんなのだ。
すっかりファンにはお馴染みの帽子とヒゲの姿で、「ああ、ああ、痛い痛い! ああ、ひどい」という台詞も飛び出す。ノークレジットだが、間違いなく松本さん自身の声だろう。

これは単純に考えてしまえば、確かによくある作者のカメオ出演であり、気の利いたファンサービスには違いない。
だが、ここはもう少し勝手な想像をさせてもらおう。なぜなら、どこまでも広がっていく自由なイマジネーション、それもまた松本零士が描き出した世界の大きな魅力でもあるからだ。

デスシャドウ号の帰還はハーロックにとって大いなる挫折を噛みしめる航海だったはずだ。
その航海に松本さんが同舟していたということは、“おれの友” ハーロックにとっての屈辱の時間を共に過ごし、その傍に寄り添っていたことになる。
やがてハーロックは志を同じくする人々を募り、トチローが造り上げたアルカディア号で共に出航する。もしかしたら、松本さんもその中にいたのかもしれない……そう考えると、胸が熱くなるではないか。

松本さんはきっと今も、ハーロックと共にアルカディア号で広大な宇宙を旅している……そんな想像をしながら、今回の放送を楽しんでみてはいかがだろうか。

>>>ハーロックの旗の下に集え!『わが青春のアルカディア』名場面を見る(写真7点)

(C)松本零士・東急エージェンシー・東映

アニメージュプラス編集部

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