──津軽と静句は、鴉夜にとってどういう存在だと思われますか。黒沢 津軽は鴉夜にとっての「救い」でしょうか。というのも、津軽は彼女を不死の絶望から解放できる唯一の希望だからです。でも、ストーリーが進行していく中で鴉夜が津軽に願う「救い」の意味も徐々に変わっていくので、そこはちょっと注目してもらいたいなと思います。
静句は、鴉夜にとって一番安心して身を委ねられる存在ではあるのですが、同時に過去から絶対に逃してくれない枷でもあるんです。おそらく静句の顔を見ると安心する日もあれば、しんどくなる日もあるんじゃないかと……鴉夜はそんな二つの思いを抱えていると思います。
──黒沢さんお薦めの注目キャラは?黒沢 第2話から出てくる馬車の御者さんのマルクですね。彼のようなたまらない小物感あふれるキャラクターが全編通して入れ替わり立ち代り登場しますので(笑)、ぜひ個性的な脇役たちにも注目してもらえたらと思います。
──実際に映像をご覧になっての感想をお聞かせください。黒沢 いやー、監督すごいですよね(笑)。1話を観させてもらったのですが、回想でキャッチーなモチーフがポンッと出てきたり、言葉のサブテキスト的な要素が視覚的にフォーカスされていたりと、映像の情報量がものすごいんです。
色彩も独特で不気味な雰囲気が味わえて、今後戦闘シーンなどでもっとすごい映像になるんでしょうね。今から続きを観るのが楽しみです。
──最後にファンの皆さんに一言メッセージをお願いします。黒沢 地上波で放送される作品ではあるのですが、本当に「大人向け」といいますか……映像表現の可能性のギリギリを攻めている作品だなと思っています。
1話は見世物小屋のシーンから始まるのですが、実際に訪れたような臨場感や没入感に驚かされました。夏の夜に、暗い部屋の中で毎週肝試しする感覚で観ていただけたら嬉しいです。
黒沢ともよ(くろさわ ともよ)
4月10日生まれ。東宝芸能所属。主な出演作は『響け!ユーフォニアム』(黄前久美子)、『アイドルマスター シンデレラガールズ』(赤城みりあ)、『スキップとローファー』(岩倉美津未)、『魔法少女マジカルデストロイヤーズ』(ピンク)ほか。
>>>黒沢ともよさんのソロショット&『アンファル』場面カットを見る(写真19点)(C)青崎有吾・講談社/鳥籠使い一行