• 【訃報】BUCK-TICK・櫻井敦司 闇を描くアニメ作品を支えた魅惑のボーカル 
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2023.10.24

【訃報】BUCK-TICK・櫻井敦司 闇を描くアニメ作品を支えた魅惑のボーカル 

BUCK-TICKのボーカル・櫻井敦司さんが逝去

ロックバンド「BUCK-TICK」のボーカル・櫻井敦司さんが、19日に脳幹出血のため死去した。57歳。公式サイトを通じて所属事務所から発表された。BUCK-TICKが手がけたアニメ作品のOP・EDから、櫻井さんの功績を振り返ってみよう。

BUCK-TICKは、櫻井さん(Vo)、今井寿(G)、星野英彦(G)、樋口豊(B)、ヤガミ・トール(Dr)によって結成、インディーズ活動を経て1987年にビクターインビテーションよりデビュー。現在まで一度のメンバー変更もなく、ゴシック・ロック、オルタナティブ、エレクトロニカなど様々なジャンルを横断しながらダークでポップな独自の世界観とサウンドを打ち出し続けている。

BUCK-TICKはこれまでのキャリアの中で、数々のアニメ作品とのコラボレーションを果たしている。
まずは、吸血鬼探偵がブリードを狩るダークファンタジー『Night Walker-真夜中の探偵-』(1998)のOPテーマに、15枚目のシングル曲「月世界」を提供。聴く者の耳に夜の闇をねっとりと塗り付けてくるような櫻井さんのボーカルが強い印象を残す1曲だ。

やはり吸血鬼が跋扈するポスト・アポカリプスの世界を描いた『トリニティ・ブラッド』(2005)では、OPテーマとして93年に6枚目のシングルとしてリリースされた楽曲をリミックスした「ドレス(bloody trinity mix)」を提供。重いダンスビートと艶やかなボーカルがゴシックな作品の世界観に見事にマッチしていた。

続く『XXXHOLiC』(2006)では、24枚目のシングル「蜻蛉-かげろう-」が第14話~23話のEDテーマに。マル&モロ、黒モコナがエアバンドを熱演する映像に暗く情熱的な櫻井さんのボーカルが被さり、独特のムードを醸し出している。

小野不由美のホラー小説を原作にした『屍鬼』(2010)では、30枚目のシングル「くちづけ」が第1話~11話のOPテーマに、そしてアルバム『RAZZLE DAZZLE』に収録された「月下麗人」が12話~22話のEDテーマとなった。
激しくアップテンポなOPとミドルテンポで甘く気だるいムードを醸すED、作品世界を意識して制作されたこの2つの楽曲はシリーズ全体のイメージを見事に体現してみせた。

『ゲゲゲの鬼太郎』(第6期/2018~2020)のEDテーマには「RONDO」を提供。シリーズ50話~62話で使用されたこの曲は、38枚目となる「獣たちの夜」との両A面シングルとして2019年にリリース。暗くロマンティックな世界を描くサウンドは、琵琶を弾く鬼太郎が死者と地獄巡りをする映像と共に優雅さと不穏さを振りまいた。

作品が求める暗黒の快楽を、魅惑的な楽曲で見事に引き出していたBUCK-TICK。作詞も含め、その世界観を強く支えていた櫻井さんのボーカルの功績はあまりにも大きい。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

>>>『RONDO』がEDを担当した『ゲゲゲの鬼太郎』第6期「地獄の四将編」クライマックスを見る(写真7点)

アニメージュプラス編集部

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