• 『コップクラフト』は“吹き替え時空”!? 原作・シリーズ構成の賀東招二が語る!
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2019.09.11

『コップクラフト』は“吹き替え時空”!? 原作・シリーズ構成の賀東招二が語る!

(C)賀東招二・小学館/STPD


ーー昨今そういう細部にツッコみがちな風潮もありますが、『コップクラフト』はアニメから入った若い視聴者もあまり気にせずに楽しく見ている感じがします。

賀東 若い子から見たらどう見えるのかなんて想像がつかないんですけど、それを慮っても仕方がないので、勝手に我が道を行くという方針で行っちゃいますね。みんな「ハードボイルドだ」って言ってくれるんですが、そういうつもりで書いてもいないんですよ。確かにシリアスな話もありますが、いろいろな話があっていいじゃないっていう。あんな猫になっておしっこしちゃうようなね。最初からそういうのもアリのつもりで書いていたので。

ーーシリアスな話ということで言うと、第7話もそうですね。アニメオリジナルのストーリーでした。

賀東 7話は、原作3巻の話が諸事情でアニメではできなくて。一応「そういうのは何とかごまかしますから」って最初は言っていたんですけど、結局は「別の話をなんとか考えますか」ってつなぎの話を持ってきたんですが。

ーーシリアスでありつつ、ティラナの心情に寄り添ったハートウォーミングないい話でした。

賀東 いろいろなバリエーションの話があっていいと思うんですよね。ほっこりした終わりもあれば、全く救いがなくて終わるとか。『マイアミ・バイス』もそういう感じだったじゃないですか。結構ひどいバッドエンドの話があったりして、あれがすごく好きだったんですよね。
▲#2 GIRLS ON ICE

ーーアメリカの刑事ドラマって結構バッドエンドの話がありますよね。

賀東 もちろん苦い話が多すぎるのも問題ですけれど。

ーーアニメの場合は1クール12話のシリーズの中でそのバランスを取るわけですよね。

賀東 本当はもっとオリジナルの話がぽんぽん出て、いろいろなバリエーションの1話完結をやりたかったんですが、とりあえず原作をたどりつつ、たまにオリジナルの話をやれたらいいかなという感じでしたね。

ーーアニメでは原作6巻までのストーリーをカバーしてしまうんですね。

賀東 4巻の話は8話から9話のAパートまでで、9話Bパートからは6巻の話ですね。5巻も3話から4話は必要になってしまうので、やりたい話ではあったんですがここはもう思い切って外しました。皆さんが応援してくださって、別の形でお届けできたらいいなと思ってます。
▲#9 A KING MAKER

ーーアニメ公式Twitterでティラナが用語解説などをする動画が公開されていますが、あの台本も書かれているんですか?

賀東 あれは宣伝チームに進行してもらってますね。ネタ出しは付き合いましたが、あとはお任せです。

ーー先行上映会のトークイベントで、ファルバーニ語の発音の話をされていましたが、書いている時から発音を想定しているんですか?

賀東 頭の中でここは濁音にしておこうかなとか、タモリさんが世界の言葉をモノマネするみたいな路線で。フィーリングですね。

ーー作家さんによってはそこをすごく体系立ててやる人もいますよね。

賀東 それをやっていると締め切りに間に合わないんですよ(笑)。一応この言葉はこういう意味なんだっていうことを決めたらメモっておいて、それを蓄積させていっています。文法は英語+若干フランス語みたいな法則にしておいて、動詞の活用とかはフィーリングでやっちゃえっていう感じですね。女性形・男性形とかも一応意識はしていますけど、それ以上詳しくがっちり決めると何も進まなくなっちゃうので。

文/小田サトシ

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