• 井上直久氏も絶賛!宮崎駿監督の絵や文章を中心に約640点!ジブリ美術館新企画展示
  • 井上直久氏も絶賛!宮崎駿監督の絵や文章を中心に約640点!ジブリ美術館新企画展示
2019.11.18

井上直久氏も絶賛!宮崎駿監督の絵や文章を中心に約640点!ジブリ美術館新企画展示

三鷹の森ジブリ美術館新企画展示 「手描き、ひらめき、おもいつき」展〜ジブリの森のスケッチブックから〜  (C)Museo d’Arte Ghibli (C)Studio Ghibli

2001年10月1日にオープンした三鷹の森ジブリ美術館は、宮崎駿監督はじめ美術館スタッフが設立時より一貫してきた「お客様に面白いものをご提供し、楽しんでいただく」をモットーに、建物から数々の企画展示まで制作してきた。そこで11月16日(土)よりスタートした新企画展示『「手描き、ひらめき、おもいつき」展〜ジブリの森のスケッチブックから〜』(〜2021年5月予定)では、その創作の過程を宮崎監督が描いてきた絵や文章を中心に約640点(模型、立体物、映像作品含め)を展示紹介している。

まず第一室は、企画展示『千と千尋の神隠し』を皮切りに宮崎監督が携わった企画展示の数々の制作作業を紹介。宮崎監督自身が展示したい物などをイメージボードに描いたり、企画テーマからスタッフに伝えたい物を漫画で表現したり、あるときは何度も言葉を紡いで伝えたり、宮崎監督と美術館スタッフのやり取りが垣間見える展示になっている。
もう一つの第二室では、アニメーション制作会社である「スタジオジブリ」が美術館を作ろうとした経緯や、開館までに生まれた数々のアイデアを多数展示。宮崎監督が建設中の設計図面にまで修正を入れているのを見るとその思いが感じられる。

また開催に先駆け11月15日(金)に内覧会が行われ、スタジオジブリ作品『耳をすませば』に美術として参加し、ジブリ美術館オリジナル短編アニメーション「星をかった日」(上映時間:約16分)の原作者であり、画家の井上直久氏が大阪から来場し、安西香月館長と企画展示に関するスペシャルトークが行われた。

▲安西香月館長(左)と、井上直久さん。 (C)Museo d’Arte Ghibli (C)Studio Ghibli

安西館長がさっそく井上さんに見た感想を伺うと、「もう、面白くて(笑)。いろいろすごく情報量が多いんでね、(お客さんは)まずビックリされるんじゃないかと思うんです。見たことないものが山盛りで」と率直な感想を伝えた。
また井上さんが宮崎監督と初めて会ったときのことに触れ、「監督がね、『井上さんと僕は同じなんだよ!』ってジブリへ戻って言われたそうなんですけど、『えっ!? どこが!』って思ったんですよ、外見は全然違いますし(笑)、やってる仕事も違うんだけどなぁって思って話聞いてましたら共通項がね、『始めてから考える』っていう事なんです。つまり自分が絵を描くときは画面に下描きしないで色をバババッと撒き散らして出来たランダムな模様を応用したり、思いついたりした模様で絵を描いて行くんです。宮崎さんそれを知って、『実は僕もそうなんですよ。映画全体のイメージは何となくあるんだけど、まだ何も見えないところから作り始めるんでね、だから最後のほうは大変なんですけども、それが面白いんです』と」二人の共通項を明かしてくれた。

安西館長が、ジブリ美術館の企画展示は今回で19回目で、そのうち宮崎監督が関わったのが15回、第一室ではそれを中心に展示し、第二室では「美術館が出来るまで」という形で展示していると説明。続いて井上さんに印象に残った展示を尋ねると、美術館建設当時の話になり「一番最初、オープン前に入れてもらって、宮崎さんに『ここは良いですね。住むのに気持ち良さそうなとこですね』って言ったんですよ。そしたら宮崎さんが『良いですね、井上さんここへ来て住みませんか?』って。『美術館の前に井上さんの絵に出てくるような小さな可愛いお家を建てますから、そこに住んで引き出しをベッドにしといて…』とかって具体的なんですよ(笑)。美術館に毎朝そっから通って館内で絵を描いてもらったり、子どもの相談に応じるのをしてもらったらどうでしょうって言うから、面白いですねって言うたんですよ。そしたら横にいた篠原征子さんといって、ラナとかクラリスをね描かれた僕の大好きな女性のアニメーターの方がおられて、笑いながら『井上さん、そこでいいですよって言ったらダメですよ』って、『次来たら、本当に小屋が建ってますから』って言われて、それはちょっと困るなと(笑)。じゃあ開館とあわせて来て壁に絵を描きますかって事で壁に描かせてもらったんです。宮崎監督の特徴はそれなんですよね。『面白いから』と言ったら絶対やるんですよ」と楽しそうに当時を振り返った。

宮崎監督はとにかく面白くて皆がビックリするような事が好きだという話から、井上さんが本企画展示のメインビジュアルの絵を見ながら、「この絵もね、好きなんですよ。監督らしき人が…人じゃ無いですけど(笑)、『そうだ!』って言ってるでしょ? 後ろでちょっと困った顔してるのがスタッフなんですよ(笑)。自分のポリシーをものすごくハッキリ持っていらっしゃって、人を喜ばせるには、自分がこれで良かったと思うにはどうしたらいいかってことを考えてらっしゃる。でもその後ろでちょっと困ってる人も常に意識にある(笑)。僕、監督のそこが好きですね」。

文/村北恵子

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