• DC TVシリーズ『タイタンズ』主演・梶 裕貴インタビュー「バットマンには不思議なご縁を感じています」
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2020.01.20

DC TVシリーズ『タイタンズ』主演・梶 裕貴インタビュー「バットマンには不思議なご縁を感じています」

DC TVシリーズ『タイタンズ』ロビン/ディック・グレイソン役、梶裕貴さん


■「リーダー」は「エース」とは違うと思っているんです

――第1話の収録現場で共演者の皆さんとお会いしたときはいかがでした?

 やはり緊張しましたね。何度もご一緒させていただいたことのある役者さんもいらっしゃいましたが、同じくらい初めてお会いする方もたくさんいらっしゃって、その中で主人公役である自分がしっかりお芝居の軸として存在していないと、みんなが不安になってしまうだろうなという思いがありました。

とはいえ、皆さんとても気さくな方々ばかりで、回を重ねるごとに現場の輪はでき上がっていき、僕の不安など、まったくの杞憂にすぎなかったわけですが(笑)。実はすでに<シーズン2>の収録も終わっているので、もう結構長い期間ご一緒させていただいているんですが、今となってはそんな『タイタンズ』らしい空気感を心地よくすら感じていますね。

――ストーリーと同様、キャストのみなさんにもタイタンズ的なチームの結束が生まれていったんですね。

 そうですね。ストーリーの進行と共に登場人物も増えていって、途中からは固定のメンバーが定まって毎週顔を合わせる感じだったので、ディックと“タイタンズ”のみんなの関係性と同じように、現場でも次第につながりが強くなっていったと思います。

――ディックとタイタンズのメンバーとの関係性についてどう捉えていらっしゃいますか?

 ディックは一見クールなように思えて実はそうではなく、意外にも青臭いというか子どもっぽい部分があるんです。でも、そんな人間らしさが垣間見えるからこそ、周囲のメンバーも最後には憎めない、愛すべきキャラクターに仕上がっていると思うんです。あれだけ「チームワークを大切に」と本人も思っているし、みんなにもそう言っているのにもかかわらず、「誰かを守るためだったら、それを破るのも仕方ない」っていう部分も根底にある人なので、それによって逆にみんながバラバラになってしまっているけどなと思うことも多々あるんですが(笑)、でもそのがむしゃらな感じを含めてディックですし、そこが可愛く見えてくるかなと思いますね。
▲ディックと“タイタンズ”のメンバーたち。右からコリー・アンダース/スターファイヤー(演:アンナ・ディオプ/声:鹿野真央)、レイチェル・ロス/レイブン(演:ティーガン・クロフト/声:小見川千明)、ガーフィールド・ローガン/ビーストボーイ(演:ライアン・ポッター/声:石井マーク)

――ディックはリーダー的にチームを引っ張っていかないといけないキャラクターですが、リーダーに求められるものや果たすべき役割ってどういうものだとお考えですか?

 全てディックに当てはまるかはわからないのですが……僕の中では「リーダー」とか「キャプテン」と呼ばれる存在は、「エース」とはまたちょっと違うと思っているんです。「エース」って言われる人って、とにかく実力があって、多少人間性に難があったとしても(笑)、その人のプレー自体に求心力があるような存在。それに対して、「リーダー」や「キャプテン」って、たとえ実質的なスキルがなかったとしても、常にチームのことや周りのことを考えられる人だというイメージがあります。

ディックは先ほどお話したように、決して完璧な人ではないと思うんです。なるべくそうでありたいというのが根底にある人ですが、やはり土壇場でそうではいられなかったりする。でもそういった未熟な部分も含めて、とにかく自分の思いがちゃんと芯にあって、それが自分のためというより、誰かのため、周りの人のため、というところが伝わるから、みんなついていきたくなるんだろうと思います。

――最初は未熟でも、だんだん成長していって名実ともにリーダーになっていく物語ですよね。

 でも幸か不幸か、ディックはディックのままなんですよね……(笑)。「すごくリーダーらしいな」と思う瞬間があっても、どうしても最後まではそうではいられなくて「おい、ディック!?」ってなる瞬間があって。そのせいでタイタンズはバラバラになったりもしながら、でも結局みんなディックのところに帰ってきてくれる。それはやっぱり、リーダーに「してあげたくなってしまう人」なのかなと思いますね。ディックにはしっかりと「周りの人のため」という芯があってブレずにいて、それが毎回紆余曲折はありながらも、周囲のみんなから認められているからなんだろうと思います。

文/小田サトシ

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