<ミニチュア系:例「カリモク60 ミニチュアファニチャー ver.2」>
実在アイテムのミニチュア。これもカプセルトイのライバルであるトレーディングフィギュアでは、リーメントの「ぷちサンプル」シリーズが人気を博していたが、カプセルトイでもこの分野のアイテムが台頭しはじめて来た。
これらのミニチュア系は、1/12スケールなどの可動フィギュアと組み合わせて楽しめるものもあるが、そうした連携は必ずしも意識されていない。むしろアイテムそのものの再現性を高めること、シリーズ単位での統一感などの方が重視されるようである。
注目株はやはり「カリモク」「ティファール」「トラスコ中山」などのメーカーのアイテムを再現しているケンエレファントであろう。
新作の1つ「カリモク60 ミニチュアファニチャー ver.2」は、木製家具の老舗カリモク社の家具を忠実に再現したアイテム。第2弾であるということは、第1弾が好評であったことの証明でもある。
ちなみにケンエレファントは同じ品物を箱のトレーディングフィギュアでも展開している。この分野はまだ、トレーディングフィギュアの方が主戦場になっているのかもしれない。
<ギャグ系:例「#酔っ払いなう」
ギャグテイストの市井の人物やデフォルメ動物のミニフィギュア。壊れた車を再現したマガイドウの「廃車コレクション」シリーズなどもあり、モチーフは生物に限らない。
キタンクラブの「コップのフチ子」やタカラトミーアーツの「シャクレルプラネット」など、人気を得てそれ自体が新たなキャラクターになっているものもある。
デザインがゆるめの場合もあるが造形自体はしっかりしており、彩色も細部まで施されているものが多い。ギャグであるからこそ、あまりにいい加減な品物だとしらけてしまう。アイデア一発勝負だけではなく、それなりに技術や生産力のあるメーカーのアイテムが存在感を発揮している。それに加え、センスが勝負の分かれ目と言えるだろう。
タカラトミーアーツでは「パンダの穴」というこの分野の専門ブランドを展開している。
アニメージュプラスでは、ブシロードクリエイティブ(TAMA-KYU)の「#酔っ払いなう」の記事が週刊ランキング2位を獲得したことがある。街角でちょっと見かけて、1回だけ回して、それを飾って楽しむというカプセルトイの原点的な面白さが、そこにはあるのかもしれない。
3系統に共通しているのは、一定以上の造形力・生産力が必要とされるということ、そしてターゲット層の年齢が高いということである。それはカプセルトイが日本に上陸した1965年から55年かけて、カプセルトイ全体のクオリティが上がったことと無縁ではない。
無彩色のPVC、いわゆる消しゴム人形の時代からカプセルトイは大きく進化した。これからもその動向に注目していきたい。
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