• トレギアはタロウへの憧れが強かった…… 内田雄馬インタビュー
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2020.12.20

トレギアはタロウへの憧れが強かった…… 内田雄馬インタビュー

(C)TSUBURAYA PRODUCTIONS


トレギアが闇に堕ちた理由


――本作の第2章Episode5でウルトラマントレギアがアーリースタイル、本来のトレギアの姿で登場します。なぜトレギアが闇に堕ちたのかが明らかになりました。

内田 トレギアはアーリースタイルの時代にとらわれたままなんだろうと思います。宇宙警備隊に入れなかった劣等感を持ち続け、力に取り憑かれて今のトレギアになり、歴史の闇に隠れたまま生き続けてきたんですね。親友のタロウがもう少しトレギアのことを解ってくれていたら。「君には君の場所があって、僕が守る」って善意で言いますが、それを羨ましいと思う心とか、自分には力がないと思う弱い部分に気付いてくれれば。ちょっと切ない話ですね。みんなのために戦いたいという気持ちが強くて、タロウに憧れてるのに、どんどん引き離されていく。タロウとはもっと本音で話せていたら違っていたでしょうね。

――アーリートレギアのビジュアルはいかがですか。

内田 まさしくウルトラマンっていう感じですよね。元々トレギアの青いところが好きでしたし、シャープな印象で格好いいと思います。あと、すごく清潔な感じがありますよね。多分元々は、清らかな心の人だったんだろうなという印象を受けます。ただ、自分なりに光のために戦いたいという希望があったのに、宇宙警備隊に入れず、迷いが生まれてしまったんですね。ウルトラマンタロウに憧れすぎたのかもしれません。タロウみたいに強くなりたいという意識が大きすぎたんだと思います。
ウルトラの戦士であるからには、やっぱり自分の力で戦って大切なものを守りたい。その感覚がトレギアなりにもあったんだろうなって思います。でも実際には、向き不向きがある。トレギアにはトレギアに向いているものがあるので、トレギアなりの守り方があったと思うんですが、そうならなかったのは、やっぱりタロウへの憧れが強すぎたのかな…そんな気がします。

――これまでのトレギアとアーリースタイルでは、声の当て方は違いますか。

内田 悪意、憎しみがないだけで、ベーシックなラインは変えていません。一応僕の中では、トレギアは闇の力を手に入れてからは老いることはなく、年月を経た経験値のみ蓄積されている、と解釈しています。その経験値分、言葉の重みが違うという意識です。声を生み出す身体自体は一緒で、気持ちの方向で言葉や雰囲気が変わっていったのかな、という、そういう印象ですね。

――TVシリーズの『ウルトラマンタイガ』では、七瀬公さん演じる霧崎という人間態がいました。どのような意識だったのでしょう。

内田 基本同一という認識でした。七瀬君と直接話すこと、お会いする機会はなかったんですが、ふたりで一緒にトレギアを作っている感覚でしたね。トレギアがどういうキャラクターかは、お互い台本を読んで感じたもので演じていたと思います。僕の場合は収録された画に当てる作業なので、画を観てどうするか考えて作っていきました。シンクロして笑うシーンなどは、僕が後から合わせたり、テイストを取り入れていくという、そういう意識はしました。

――今作におけるトレギアの見どころはどこですか。

内田 トレギアが元々どういうウルトラマンだったのかを知ってもらえるのが大事かなと思います。闇に堕ちた理由を知った上で、今後のトレギアを楽しみにしてくれる方が増えると嬉しいです。

――ファンは増えそうですね。アーリースタイルもかっこいいですし。

内田 増えてほしい。ウルトラマンタイタスを演じている日野聡さんと現場でご一緒した時に聞いたのですが、イベントに出演した時、子どもが「タイタスの人形欲しい!」って言うと、お母さんが「フーマかトレギアにしなさい!」って(笑)。お母様方は細くて格好いいほうに目がいくんだって、日野さんは寂しそうでした(笑)。タイタスはゴリマッチョで面白いので子どもは好きなんですが、お母様方にはスマートなほうが人気みたいです。


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アニメージュプラス編集部

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