• 架空の戦場のリアルを追及した『装甲騎兵ボトムズ』のメカ描写
  • 架空の戦場のリアルを追及した『装甲騎兵ボトムズ』のメカ描写
2021.03.09

架空の戦場のリアルを追及した『装甲騎兵ボトムズ』のメカ描写

スコープドッグのデザインは今見てもインパクト大 (C)サンライズ



1クールごとに舞台を変えることで登場する、戦闘環境に応じて発展したATの新型機・新装備も大きな見どころだ。例えば第2部の舞台・クメン王国は熱帯雨林のジャングルに囲まれており、河川や湿地などが多く存在する地域。そうした場所に対応したATとして、気密性が高く、脚部に「スワンピークラッグ」とよばれる “かんじき” を装着した機体が登場する。そのほか登場する特殊な機体やカスタム機なども、基本ATの持つルールから逸脱することは無く荒唐無稽な進化が無かったことも、兵器としてのリアリティを支え続けた。
イプシロン専用のAT・ストライクドッグ(中央)と水陸両用のAT・スタンディングタートル (C)サンライズ

2009年に公開されたOVA『ペールゼン・ファイルズ』からは、ATがCGでモデリングされ、映像の表現の幅が大きく広がった。装甲や各部構造のディテール感が追加され、ダメージ表現や質感表現の向上、迷彩やマーキングなどのミリタリー要素の補強、ATらしい無機質かつ大量に投入される戦場の表現、よりスピーディーかつ立体的な動きなど、手描きのアニメーション作画では限界があった要素が底上げされて描写されていく。
『ペールゼン・ファイルズ』から物量で魅せるAT描写が増えていく (C)サンライズ

その実在感に刺激されるのだろうか、鍛冶師であり造形作家の倉田光吾郎氏による鋼鉄製の立像、また大河原邦男氏の地元であるJR稲城長沼駅前のモニュメントなど、いくつもの実寸大スコープドッグが作り出されている。『装甲騎兵ボトムズ』の顔であるATは、これからも「最もリアルな “リアルロボット” 」として愛され続けていくことだろう。

(C)サンライズ

アニメージュプラス編集部