高野麻里佳が語る新作アニメ『エデン』——人間とロボットの絆のドラマ！

サラは共感できる部分が多いキャラ

ーー本作『エデン』の魅力をどんなところに感じていますか。

高野　SF作品で大きなテーマも持っていますが、それほど科学的な専門用語などは使われていなくて。逆に “気持ち” で考える部分が多い作品です。そして、とても親しみやすくて、ハートフルな作品だと思っています。

——高野さんが演じる主人公・サラは、ロボットだけになってしまった世界でたったひとりの人間という設定ですね。

高野　サラは、ロボットに育てられたという特殊な背景をもっていますが、本当に普通の女の子です。喜怒哀楽もはっきりしているし、とても快活で、女の子らしい女の子。ロボットのお父さん、お母さんの下でのびのびと育ったので、逆に人間らしさみたいなものが育まれたのではないかなと思っています。一方で、成長する過程での孤独を抱えたもどかしさも描かれていて、それも見どころのひとつです。その孤独は、ロボットにはどうしてもわからない部分もあって。それもまた、サラの人間らしさを引き立てているのかなとも思います。そういう悩みも含めて、共感できる部分がとても多いキャラクターじゃないかなと思っています。

ーー人間らしいサラと、非人間的なロボットたちがコミュニケーションを取っていくなかでお互いに変化、成長していくというのが、この作品のユニークさですよね。

高野　サラはたったひとりの人類ということで、ロボットと対比的に描かれているイメージですが、実際に物語を観ていると、むしろロボットたちのほうが人間らしいなと感じる部分があったりもするんですよ。

ーー好奇心のままに突き進んでいくサラが、気が付けば世界の大きなできごとに巻き込まれていくというストーリーになっていますね。

高野　そうなんです。最終的には「この世界に人間は必要なのか？」というような、大きなテーマを描くストーリーです。その先にどんな答えが待っているのか、ぜひ最後まで観て確かめてほしいと思います。

ーーサラ役は、オーディションで決まったのですか？

高野　この作品は少し特殊で、オーディションがありませんでした。映像を作るための仮のプレスコ収録が先に行われ、その際に私も “仮キャスト” として呼んでいただきました。本番では私以外のどなたかがサラを演じるかもしれないという状況だったので、そういう意味では、作品を作りながらオーディションをしていたようなものでした。

ーー仮収録をしながら、やはり本当に演じたいという気持ちも沸いてきたのでは？

高野　そうですね、気持ち的にはもう、サラは自分で作り上げたくらいの感覚でしたから（笑）。「サラはこういうキャラクターだ」と、自分のこれまでの経験をぶつけるような気持ちで。もし、本番で演じるのが自分ではなくなったらちょっと寂しいなと思いながら、本番のつもりで本気の緊張感を持って臨みました。

ーーでは、本番のキャストに決まって良かったですね。

高野　本当にそうですね。自分の中では「本キャストにはなれないかもしれない」という覚悟を固めていたところがありました。そうしないと、心が傷ついてしまうので（笑）。でも、決まった時には「本キャストに決まりました」とあっさり伝えられて、瞬間的に私は「あ、そうなんですね」とサラっと返してしまったんです（笑）。本当はすごく嬉しくて、感動しました！