• 【『映画大好きポンポさん』SP】木島隆一が語る平尾監督の〈反骨心〉
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2021.06.19

【『映画大好きポンポさん』SP】木島隆一が語る平尾監督の〈反骨心〉

(C)2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/映画大好きポンポさん製作委員会


〈覆してやる!〉というセリフ

ーー『GOD EATER』の当時、平尾さんはどんな印象の人でしたか。

木島 よく考えてみると平尾さんも、『GOD EATER』がTVシリーズ初監督だったんですよね。僕もTVシリーズの主人公がはじめてでしたから、お互いに何となく緊張感があったし、不思議な興奮の渦の中にいて、妙に一体感を感じた記憶があります。作品を作っているあいだは制作の方たちとあまりご飯を食べにいったりすることはなかったですが、収録の合間には平尾さんからお話をしていただく機会がかなりありました。何を細かく言ってもらったということではなく、何というか……平尾さんは物腰が柔らかくて、僕に対して敬語で話してくださっていたのを覚えています。それは、今でも変わらなくて。『GOD EATER』が終わってから、何度か一緒に飲み行かせていただく機会がありましたが、僕がどれだけ酔って絡んでいっても、平尾さんはずっと僕に対して敬語なんです(笑)。僕は(距離感を)詰めようとするんですが、ずっと敬語。どうしてなのか、いまだにわからないのですが。でも、リスペクトしてくださっているのだろうし、ほどよい距離感だなとも感じます。そういう面からも、優しい人、愛情が深い人なんだよなぁって、よく思います。ただ、これだけ言っておいて何ですが、平尾さんがどういう人なのか、僕が語っていいものかどうか……すいません、平尾さん!

ーーあらためて、TVシリーズ『GOD EATER』という作品を振り返っていただけますか。

木島 生きることに絶望してしまうような世界の中でも、命をつなげようと抗い生きている人たちを描いていて、その生き方がなぜか魅力的に見える作品です。また、原作がアクションゲームですから、アニメの戦闘シーンも非常に見応えがあります。敵側のアラガミ(クリーチャー、モンスター)がCGで描かれるのですが、それも力強く、ちょっと不気味な魅力があります。あとは、『ポンポさん』の冒頭でミスティアさんがサーフィンで波の中を抜けてくるシーンがありましたが、『GOD EATER』でも水の表現が個人的には印象深いです。すごくリアリティもあるけれど、リアリティのさらに上をいくアニメならではの表現にもなっている。そういう映像の魅力は共通しているので、『ポンポさん』を機会に『GOD EATER』も見返していただけるといいなと思います。

ーー『GOD EATER』から平尾監督らしさを感じることはありますか。

木島 あえて言うのであれば、反骨心を感じるということでしょうか。『GOD EATRE』に、レンカの「覆してやる!」という印象的なセリフが出てきますが、そういう精神が平尾さんの中にもあるのかなと感じます。『ポンポさん』でも、僕が演じたアランの会議のシーンを見て、それこそその「覆してやる」というセリフが自分の中でリフレインしました。新しい世界に飛び出していこうとする人、新しい何かをはじめようとしている人たちが、背中をポンと押してもらえるような優しさを感じます。でも、そういう優しさの一方で、ジーン君のようにーーそういう言い方をしていいのかわかりませんがーー “狂った部分” もあり、“マイノリティ” であることにどこかで誇りを持っているような気もする。きっと、それがもの作りに欠かせない部分なのかな、と。煮えたぎるようなエネルギーが映像の背後にあると感じさせてくれる。そこが平尾さんらしいといえば、らしいのかもしれないです。そういう意味でも、平尾さんが『映画大好きポンポさん』という作品を作るのは宿命だったのだろうし、『ポンポさん』のアニメ化企画を平尾さんに持ってきた人は素晴らしいと思います。

ーー最後に、平尾監督にメッセージをお願いします。

木島 また一緒に飲みにいきたいですね。試写会の日に「観ました!」ってLineを送ったら、「え、試写会、はじまっているんですか?」と返事がきたので、ちゃんと休めているのか心配です(笑)。状況が落ち着いたら、何か美味しいものでも食べに行きましょう!『ポンポさん』、お疲れさまでした!!

(C)2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/映画大好きポンポさん製作委員会

アニメージュプラス編集部

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