――本作の第一印象を教えてください。
伊藤 舞台が沖縄ということもあって、おおらかで明るい空気感のある作品だなと思いました。景色だけじゃなく、登場人物たちの性格にも奔放さがあって、時間がゆったり流れているような雰囲気が伝わってくるところが素敵です。4人の女の子たちが、それぞれの夢に向かって頑張っている姿も印象的でした。
逢田 映像をチェックしながら台本を読んでいたら、アニメというよりも、まるで映画やドラマを観ているように感じました。私が演じた風花は、18歳にして夢を失ってしまうところから始まります。青春が詰まっている物語ですが、ただ明るいだけではなく、「これからの将来をどうしよう?」という重たいテーマも組み込まれているのも印象的でした。そんな風花が、くくると出逢ったことで、これからの新しい人生を始めるまでが丁寧に描かれているので、とても勇気をもらえる作品でした。
▲伊藤さん演じる海咲野くくる(左)と逢田さん演じる宮沢風花(右)。
――演じられるキャラクターの注目ポイントを教えてください。
伊藤 くくるは、元気で明るくて生き物のことが大好きな女の子です。何よりも、「がまがま水族館」という場所が大切で、「がまがま水族館」を守るためにまっすぐに頑張っています。でもまっすぐ過ぎて、周りのみんながハラハラしてしまうような行動をしちゃうことも(笑)。そんな突拍子のない面も含めて可愛らしいですし、私自身にもこれくらい行動力があったらいいなと羨ましくなってしまいました。「がまがま水族館」を守りたいという想いの根底にあるものを知ると、その一生懸命さも分かります。行動力がくくるの一番の魅力だなと思います。
逢田 風花は、優しすぎる女の子です。自分のことよりも、周りの人の幸せを考えられる女の子なので、最初は「もっと自分の幸せも大切にして」と思ってしまいました。でも、話が進んでいくにつれて、誰かのために頑張ることが、自分の幸せだということに気付いていきます。誰かのためならば、自分でもびっくりするくらい大胆な行動ができてしまう子なんです。
――くくると風花の距離感の変化がとても繊細に描かれている作品ですが、二人の関係をどんなふうに捉えていますか?
伊藤 くくるは突っ走ってしまうタイプで、風花がそれを止めてくれるので、まるで妹とお姉ちゃんみたいだなと思っています。
逢田 そうだね。
伊藤 アフレコでも、「本当の姉妹みたいにわちゃわちゃして」とディレクションをいただくくらい。
逢田 風花にはない部分をくくるはたくさん持っているので、そんなくくるの言動に励まされているんです。風花が前を向けるようになったのはくくるのおかげだと、きっと思っているはず。この作品は、二人の関係性が凄く大切になってくると思ったので、私も美来ちゃんと仲良くなりたいなと思ってアフレコに臨みました。
――お二人は海や水族館の思い出はありますか?
伊藤 めちゃくちゃあります! お父さんの趣味がサーフィンなので、小さい頃からよくお父さんに連れられて、家族で海や水族館に行っていました。海の生き物たちに触れるコーナーでヒトデに触ったり、いろんな魚を見たりしていました。最近取材で水族館に行ったんですが、大人になってからでも凄く楽しくて。くくるを演じたことで、海の生き物たちへの愛が増していることもあって、お魚達がより愛おしく感じながら撮影していました。
逢田 私は日本の海には入ったことがなくて、撮影で海外の海に1~2回入ったことがあるくらい。子どもの頃から肌が弱くて、臨海学校でも見学していたんです。でも水族館は好き! 特にクラゲが好きで、新江ノ島水族館にクラゲを観に行ったことがあります。この作品に出演したことで、お魚達への想いもより増した気がします。
(C)projectティンガーラ
アニメージュプラス編集部