• 『ゲッターロボ アーク』中島かずきが驚嘆した石川賢の底知れぬ作家性
  • 『ゲッターロボ アーク』中島かずきが驚嘆した石川賢の底知れぬ作家性
2021.07.20

『ゲッターロボ アーク』中島かずきが驚嘆した石川賢の底知れぬ作家性

(C)永井豪・石川賢/ダイナミック企画・真早乙女研究所

現在絶賛放送中のテレビアニメ『ゲッターロボ アーク』をより楽しむための、石川賢「ゲッターロボ・サーガ」の魅力を探るインタビュー企画は後編に突入。ゲッター線をもっとも強く浴びた脚本家にして、編集者時代に『アーク』コミックの担当を務めた中島かずきさんが、さらにディープに石川ワールドの魅力、そして『アーク』アニメへの期待を語る!(全2回・後編)

――『アーク』の先の展開についてなど、石川先生から伺ったことはないのですか。
▲サーガ最終章である『ゲッターロボ アーク』のコミックは未完のまま幕を閉じたが……。 
(C)1974-2021 Go Nagai・Tetsuko Ishikawa/Dynamic Production

中島 本当に何も聞いてないんですよ。先生との関係は、原稿をいただくだけでいいという思いがあったんですね。そこは結構ビジネスライクに、あまり深入りしないところで。

――いやいや、ビジネスライクじゃないですよ。ビジネスだったら、今後の展開をちゃんと知っておかないと困るじゃないですか。

中島 (頭を抱えて)なるほど、そうか……自分が読者になってしまっているから、先を知りたくなかったんだ! 確かにおっしゃるとおりです(苦笑)。

――石川ファンの思いが強すぎましたね(笑)。

中島 その一方、話がどんどん広がっていく中で自分はどこまで責任が持てるのか、この連載の場を守れるのかっていう怖さもあったんですよ。結果的に(スーパーロボットマガジンは)休刊になっちゃいましたし、そこは本当にすみませんという気持ちがあって。

――中島さんから見た石川先生像がどんなものだったか、お聞かせください。

中島 穏やかな方でしたね。本当にニコニコしてて、自由人っていうのか……「自分も歳をとったら、こんな人になりたいな」と思える方でした。

――完全に作品と乖離したイメージですね。

中島 そうそう。「こんなホワ~っとした人が、何であんなテンションのクレイジーなものが描けるんだ」って思ってましたね。

――お話したことなどで印象に残っていることは。

中島 自分が脚本を書いた97年版の『髑髏城の七人』を観に来てくれて、その後一緒にご飯に行ったら「脚本がいいよ」と褒めてくれたのが嬉しかったですね。

――改めて、石川賢作品の魅力はどんなところにあると思われますか。

中島 やっぱり「明るい乱暴さ」ですよね。人が生きていく力強さみたいなものが、すべての作品の根底にあると思うんです。石川さんはさっき話したようなお人柄なので、どんな凄惨なものを描いてもどこかユーモラスな部分があるんですよ。
▲『アーク』敷島博士のキャラクターにも「明るい乱暴さ」の魅力が。

あと石川さんは基本的にすごく構成力がある人だと思うんだけど、「このまままとめたら面白くないよね」って、描きながらご自身で物語のスケールをぐっと広げていくんじゃないかと感じてました。勝手に動いていくペンを自由に遊ばせていく感じ。だから、漫画そのものが持っているダイナミズムを感じられるんです。

(C)永井豪・石川賢/ダイナミック企画・真早乙女研究所

アニメージュプラス編集部