◆ウルトラマンに帰ってきて◆――小柳さんは『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!べリアル銀河帝国』でウルトラマンゼロと一体化したランを、黄川田さんは『ウルトラマンX』第6・7話でゴールド星人のtE・rU(テル)を演じています。久々のウルトラマンシリーズの現場で変化を感じたところ、逆に変わらないと思ったところはありますか?小柳 ジャンボットのコクピットとテラフェイザーのコクピットに似ているものを感じて、懐かしいなと思いました。そこは変わらない、素敵なところだなと。逆に変わっていたのは撮り方ですね。『ゼロ』のときは舞台が宇宙空間や地球と違う星で、ほとんどグリーンバックだったんです。『デッカー』だと地球が舞台で、ロケで街の中にいることが新鮮に思いました。
黄川田 僕の場合は『X』の時はゲストの王子様役で、ほぼ感情芝居だったこともありただただ楽しい時間だった印象がありました。でも、今回は自分の感情は置いておいて、隊員たちをどう動かすか、怪獣をいかに分析するか説明するセリフが多くて。前も説明セリフは多少あったんですが、現場で見えていないモニターに向かって芝居をするのは違うなと。「隊長っててぇへんだな」って思いました(笑)。
小柳 てぇへんだ(笑)! でも本当に大変だったと思います、あのセリフ量は。
黄川田 あと「この言葉に似ている」という言葉が少なくて。初めて聞くような単語が連なっているところでリズムが崩れると、芝居も崩壊してしまうんです。それでだんだん泣き顔になってきて……。
小柳 (笑)
松本 大変ですよね。怪獣の名前や攻撃の名前、作戦の名前とか町の名前もそうですし。
黄川田 ひとつひとつのセリフは、考えながら言えば簡単なんですよね。でも、隊長が大変なのは「この怪獣に対してはこうですよ、出撃してください」とスピード感をもって言わなきゃいけないことで。(カイザキ サワ役の)宮澤佐江ちゃんと「今どこ覚えていますか?」「僕は今何話ですよ」と確認し合って、お互いに励まし合わないと精神がもたない。(小柳)友くんもこの大変さをわかっているから、現場で会ったら「ねえねえ」と話しかけて。
小柳 「これすごいですよね」「ここちょっと難しいな」とか言いながら。これまで長いセリフがあると「ヤバい、どうしよう」と思っていたんですが、その恐怖心がこの現場ではなくなったところもあって。苦労したところもありますが、安心できる空間だったからこそ、乗り越えられたのかなと。
――とてもいいチームワークで撮影が進んでいったんですね。松本 誰か一人だけが引っ張るというわけでもなく、みんなで頑張っていった感じだったと思います。
(C)円谷プロ (C)ウルトラマンデッカー製作委員会・テレビ東京