『時空の旅人』真崎守×萩尾望都の名作が誘う80年代へのタイムスリップ

11月13日（日）19時より、BS12トゥエルビ〈日曜アニメ劇場〉にて、1986年に劇場公開されたアニメ映画『時空（とき）の旅人』が放送される。
本作は、1986年12月20日に公開された劇場アニメ（同時上映は、りんたろう監督『火の鳥 鳳凰編』）。1983年の『幻魔大戦』からスタートした「角川アニメーション映画」の1作。SF作家・眉村卓の『とらえられたスクールバス』（後に『時空の旅人』と改題）を原作にした、タイムトラベルを題材としたSFストーリーだ。

未来から脱出してきた少年アギノ・ジロは、現代の少女・哲子友人の真一や信夫の乗ったワゴン車をタイムマシンに改造し、過去の世界へとタイムスリップしていく。
ジロを追跡するタイムハンターから逃れ、東京大空襲、関ヶ原の戦いなど歴史の中を旅した一行は、やがて本能寺の変が起こる直前の織田信長や森蘭丸と遭遇する……。
歴史の改編を目論む謎の一団と、それを防ごうとする〈時間管理局〉との抗争に巻き込まれていく哲子たち。
その先に待っている意外な結末とは？

眉村卓は『なぞの転校生』『ねらわれた学園』『まぼろしのペンフレンド』など数多くの傑作ジュブナイルSFを手がけており、中でも『ねらわれた学園』は81年に大林宣彦監督・薬師丸ひろ子主演で映画化され大ヒットを記録、以後数多くのメディアミックスを果たしている。
そして監督を務めたのは『浮浪雲』（82年）、『はだしのゲン』（第一部・83年）なども手がけた真崎守。真崎は『ジロがゆく』『はみだし野郎の伝説』『共犯幻想』などの作品で、漫画家としても高く評価されている。

キャラクターデザインを手掛けたのは『ポーの一族』『トーマの心臓』など数多くの作品で知られる漫画家の萩尾望都。さらに主題歌・挿入歌を手がけるのは、竹内まりや。公開当時としても非常に豪華な、そして現在では “レジェンド” として語られるような面々がクレジットに名を連ねていることから、アニメ史的な視点からも注目すべき１作と言えるだろう。

（C）1986角川映画