• キャスト9人が熱唱「アバターパーティー!ドンブラザーズ!」制作秘話 
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2022.12.12

キャスト9人が熱唱「アバターパーティー!ドンブラザーズ!」制作秘話 

「アバターパーティー!ドンブラザーズ!」を収録した「暴太郎戦隊ドンブラザーズ EP vol.4」ジャケット (C)テレビ朝日・東映AC・東映

かつてない挑戦的な仕掛けや作劇で話題を振り巻いているスーパー戦隊シリーズ第46作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』もいよいよ終盤。最終回に向けてドンブラザーズと脳人の結末も大いに気になるところだ。

そんな中、9人のキャラクター全員が歌う賑やかなパーティーソング「アバターパーティー!ドンブラザーズ!」が完成した。スーパー戦隊シリーズの既成概念を覆す、まさかのライバル同士の歌を通じての共演はもちろん、個性を見事に描き切った9人それぞれのパートが楽しめる、魅力溢れる楽曲はいかにして生み出されたのか?
今回、音楽ディレクターの穴井健太郎(日本コロムビア)、東映の番組プロデューサー補佐(AP)の松浦大悟、そして作曲家の大石憲一郎の鼎談が実現。前編となる今回は、企画の始まりから作詞の成り立ちについて語り合ってもらった。

▲左から大石憲一郎、松浦大悟、穴井健太郎

★前代未聞のヒーローと敵側のデュエットソング★

――スーパー戦隊シリーズでは、OP&EDをはじめ、挿入歌にキャラソンと数々の歌が制作されていますが、番組との連携が不可欠だと思います。『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の音楽制作に関してはどのように進めているのでしょうか?

松浦 音楽面に関しては、穴井さんに全面的に舵取りをしていただきました。

穴井 いえいえ。松浦さんからもたくさんアイデアをいただきました。中でも印象的だったのが、「月ノミゾ知ル。」ですね。これは元々、松浦さんと「脳人の曲を作るのはどうですか?」と話していたのが、桃井タロウとソノイのデュエットソングに発展しました。

松浦 そうでしたね。ちょうど前作『機界戦隊ゼンカイジャー』のステイシーが、敵ながらもキャラクターとしてすごくハネた。僕らとしては、そこにひとつの手応えを感じていたんです。僕を含め、プロデューサーの白倉(伸一郎)を筆頭に『ゼンカイ』から『ドンブラ』に続投したスタッフも多かったですし、そういう連綿と続く流れがある中、脳人もまたすごく魅力的だったので、「悪役フィーチャー」の一貫として、歌のほうで何かアピールできたらと。

穴井 それで「脳人の曲ならこんな感じでしょうか?」と話を進めていたところ、ある日、松浦さんからいただいたのが二人のデュエットのアイデアで。普通に考えると、ヒーローと敵同士でデュエットなんてあり得ないので、これはちょっと度肝を抜かれましたね(笑)。

松浦 逆に僕としては、敵味方のデュエットはそれほど意識してなかったんです。アニメとかの別ジャンルなら普通にありますし、それより、あんなに目立っている桃井タロウを差し置いて、脳人の曲を先に作るわけにはいかないだろうって(笑)。

穴井 「月ノミゾ知ル。」は、作詩&作曲は高取ヒデアキさん、編曲は籠島裕昌さん、演奏はZETKIといった布陣でした。

松浦 高取さんとZETKIのあのジャジーな感じが好きなんですよ。たとえば高取さんが歌われた『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の挿入歌「ルパンレンジャー Here we go!」とかはお気に入りの1曲です。

穴井 ちょっとダークな雰囲気が漂う曲で、あれがリファレンスになっていましたね。

松浦 ええ。「月ノミゾ知ル。」は、穴井さんはもちろん、高取さんたちのおかげで、めちゃくちゃカッコイイ曲に仕上げていただきました。井上敏樹大先生からもお褒めの言葉を貰ったりして(笑)。

穴井 しかも「月ノミゾ知ル。」は、メロディを使ったBGMも別途作りましたよね。これは籠島さんがピアノアレンジして弾いてくれました。

松浦 第32話の山口恭平監督が、ラストで第27話を踏まえた展開を描きたいとのことで、あの場面のためにわざわざお願いして作っていただいたんです。

――大石さんは『ドンブラ』をどのようにご覧になっていましたか?

大石 OP主題歌「俺こそオンリーワン」が近年にない斬新さで、それと同様に番組自体からも斬新さを感じながら観させていただいていました。

松浦 主題歌は「ダンサブル」ってワードが出ていましたね

穴井 暴太郎でアバだし、ABBAも復活したし、ダンスミュージックはどうだろうか?と(笑)。

松浦 基本ギャグから入る(笑)。

穴井 最初期のアイデア出しではそんな話もしていましたね。

松浦 僕個人としては、大石さんに作っていただいた曲で、ゾックスの2曲目のキャラソンがめっちゃ好きなんですよ。

大石 ありがとうございます。「FLAG~界賊の美学~」ですね。

松浦 そうです。ゾックスのBGM(「頼れる兄貴」/D-04)も大石さんに作っていただきましたが、「FLAG~界賊の美学~」の一部にはそのメロが使われているんですよね。

大石 ああ、入れてましたね。

松浦 そういう細工が分かるとまた嬉しくなります(笑)。『ドンブラ』では、まだ大石さんとご縁がなくて、穴井さんに色々とお願いしている中、ちょうどお名前が挙がったので、「是非、ご一緒したいです!」と。

大石 今年はイチ視聴者かなと思って番組を観ていたら、すごく特濃な案件が(笑)。いわゆる紹介ソングは、遡ると『炎神戦隊ゴーオンジャー』の「炎神ラップシリーズ」から始まり、『海賊戦隊ゴーカイジャー』の「スーパー戦隊ヒーローゲッター」とやってきて、ある意味、得意分野というか、そこは任せてください!と引き受けさせていただきました。

松浦 「スーパー戦隊ヒーローゲッター」を作った方なら、どんな無茶振りでもきっと対応してくれると思っていました!

(C)テレビ朝日・東映AC・東映

アニメージュプラス編集部

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