• 『ClariS』新たな挑戦を続けた2022年の集大成的ライブ!
  • 『ClariS』新たな挑戦を続けた2022年の集大成的ライブ!
2022.12.22

『ClariS』新たな挑戦を続けた2022年の集大成的ライブ!

『ClariS』左:クララ、右:カレン/Photo by平野タカシ

12月16日、17日、ClariS冬のコンサート『ClariS HALL CONCERT 2022 ~ Let's Snow Parade ! ~』が、東京・TOKYO DOME CTY HALLで開催。2022年の多彩な活動を集大成した、バラエティに富んだステージで観客を魅了した。

「レディス・アンド・ジェントルメン、ウェルカム・トゥ・Let's Snow Parade !」とのアナウンスとともに、深紅のドレスを身にまとったふたりが登場。幕が上がると、華やかでどこかレトロな雰囲気もあるライブステージが目の前に広がった。ライブの1曲目は「It's showtime!!」。スウィングジャズの軽快なサウンドに乗せて、ダンサーとともにステッキを使ったダンスパフォーマンスを繰り広げたふたり。これまでの物語調やお城の舞踏会のような雰囲気から一転、1920~30年代のジャズとダンスを彷彿とさせる、実にショーアップされたきらびやかな世界観で、一気に『Let's Snow Parade !』の世界へと観客を引き込んだ。

こうした新たなライブの見せ方は、今年重ねた数々のチャレンジによって生み出されたものだろう。アルバム『Parfaitone』をはじめ、シングル「ALIVE」と「Masquerade」では、これまで歌ったことのなかった、多くの新たな曲調にチャレンジ。ファンの声援を支えに、数々のチャレンジに果敢に挑んだ経験が、ClariSのふたりに自信を与え大きく成長させたと言えるだろう。

また、5曲目に披露した「Prism」は、この日にピッタリの選曲だった。8月に2年10カ月ぶりの有観客ライブ『ClariS HALL CONCERT 2022 ~Twinkle Summer Dreams~』があったものの、〈「やっと逢えたね」〉という歌詞は、まさしくこの日のファンへの心からのメッセージ。2020年はツアーが中止になるなど、ここまで様々なことをふたりで乗り越えて来たクララとカレンが手をつないで歌う姿は、エモさを通り越してもはや「尊い」の一言。振り付けではふたりでひとつのハートを作り、12年の感謝の気持ちをファンに届けるような場面もあった。

このコンサートでは冬にまつわるミディアムナンバーが選曲され、キラキラとした雪の情景や、切なく儚さのある少し大人の恋愛模様を数多く歌い上げた。クララがソロで歌った「ウソツキ」は、頭にティアラ、ブルー系のドレスを着た、まるでディズニープリンセスのような出で立ち。その美しさには、会場から感嘆のため息がこぼれたほど。舞い散る粉雪のようにキラキラとした「eternally」。〈雪の夜に〉という歌い出しの「ひとつだけ」。さらに冬の切ない恋の物語を歌った「グラスプ」は、「ギュッと手をつなぐ」という意味のタイトルで、「Prism」の伏線がここにつながっていたことも見逃せない。

冬のイメージの楽曲は、北海道在住のふたりにとって非常に親和性が高い。今年リリースされたアルバム『Parfaitone』には、同郷の先輩であるGLAYのTAKUROが「瞳の中のローレライ」を提供している。ミニアルバム『WINTER TRACKS ―冬のうた―』の収録曲「スノーライト」は、北海道の美しい冬景色を感じてほしいとの思いでClariSが作詞に参加した。『WINTER TRACKS ―冬のうた―』のコーナーは、その「スノーライト」からスタート。腰に手を回してハニカムような振り付けも可愛らしく、鈴が鳴るサウンドなど一足早いクリスマスといった雰囲気が会場に広がった。T.M.Revolutionのカバーという意外性も話題を集めた「WHITE BREATH」は、「皆さん、ペンライトの色はオレンジですよ」とのカレンの呼びかけで、会場はオレンジ一色に。そしてコーナー最後は、再びクララのソロで「サイレント・イヴ」が披露された。マイクを両手で強く握りしめ、透明感ある歌声で切なく歌い上げたクララ。スポットライトに照らされた姿は、まるで天使のように神々しく輝いていた。

クララが天使なら、カレンは巫女。カレンは和テイストの衣装で、ダイナミックなダンスパフォーマンスとともに「Butterfly Reglet」を熱唱。アッパーのリズムに乗せて、狐の面を付けたダンサーとともに、扇子を使ったダンスでも魅せた。バラードをしっとり歌い上げる“静”のクララ、アグレッシブなダンスとともに熱く歌い上げる“動”のカレン。異なる個性であるが、お互いを信じ合うからこそ、新しいことに臆することなくチャレンジし続けることができたのだろう。

終盤はアニメ『憑物語』EDテーマ「border」をはじめ、『ニセコイ』OPテーマ「STEP」、など人気のアニメテーマソングを立て続けに披露した。ClariSは2022年も、『リコリス・リコイル』OPテーマ「ALIVE」、『シャドーハウスSeason2』EDテーマ「Masquerade」といったアニメテーマソングを手がけて話題を集めた。特に「ALIVE」の反響は大きく、2023年2月8日には『リコリス・リコイル』描き下ろしLPサイズ大型ジャケット仕様の「ALIVE」(完全生産限定盤)の発売も予定されている。

『魔法少女まどか☆マギカ』OPテーマ「コネクト」の最後、手を合わせて指切りし、「冬の思い出をありがとう」とクララ。カレンも「素敵な時間をありがとう」とコメント。本編の最後は「カラフル」で締めくくり、ファンとの再会を誓い合った。そしてアンコールではライブの定番曲「仮面ジュブナイル」を披露し、久しぶりの仮面姿でも楽しませた。

MCでは「2022年ClariS活動記録」と題し、2022年の活動を年表で振り返ったふたり。「年表の枚数をもっと増やしていけるように来年も頑張っていきたい」と、新たな決意を口にしたカレン。クララは「冬の思い出をみんなと作れました。忘れられない素敵な時間をもらいました」と、同じ時間を過ごしてくれたファンに感謝。

コンサートを締めくくったのは、ClariSの2022年を象徴する楽曲「ALIVE」。YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』で公開された動画が、220万回という再生数を記録した同曲。曲名が発表されると会場にはワッと歓声が沸き起こった。ライブ最後に、最もダンスが激しい楽曲を選択するという、これもまたふたりにとっての挑戦。渾身のダンスパフォーマンスで限界を超えたふたりに、怖いものはもう何も無い。


ライター:榑林史章/Photo:平野タカシ/編集:アニメージュプラス

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事