• 『うる星やつら』神谷浩史が語り尽くしたスタッフ&キャストの作品愛
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2023.01.26

『うる星やつら』神谷浩史が語り尽くしたスタッフ&キャストの作品愛

(C)高橋留美子・小学館/アニメ「うる星やつら」製作委員会


――神谷さんから見た、今回のラムちゃんの魅力はどこにありますか。

神谷 まず(キャラクターデザインの)浅野直之さんの描くラムちゃんがどえらく可愛いな、と。浅野さんの絵って止めの状態は勿論のこと、動かした時により魅力を発揮するっていうことは過去作でご一緒させていただいた時に思っていたんですが、本当にその通りで。まさに高橋留美子先生のオリジナルキャラクターと、浅野さんの才能の化学反応の結果です。

あと、すみぺが本当にラムちゃんなんですよね。最初は「ラムって平野さん以外の誰ができるんだろう」って思っていたんですよ。今あんな声で喋れる人いる? あんな天然のあざとさをいやらしくなく成立させられることができる人ってこの世の中にいるの? って。でも、すみぺは非の打ち所がないラムちゃんになっているんです。

平野さんがラムちゃんのお母さん役で登場した時、お母さんが喋っている宇宙語にラムが地球語で翻訳していく中でどんどん翻訳のスピードが速くなって二人の会話が重なっていくんですが、あれをイヤホンで聴いてきたら「ラムが二人いる!」と脳がバグり始めて(笑)。それくらい、すみぺのラムの存在感はすごかったです。

――では、令和版『うる星やつら』の見どころはどこだと思われていますか。

神谷 今作の一番の特徴としては、留美子先生の原作を忠実に描くというところですね。もちろんアニメ的アレンジはあるんですが、原作から選りすぐりのエピソードを映像化してお届けする形になっています。前作のアニメも勿論面白くて、僕も子供の頃観ていて好きでしたけれど、それとはちょっと違う、あくまで原作を今の技術でそのままアニメーションに落とし込んだらこうなりますよっていうものをお届けしている感じです。

やっぱり留美子先生の原作って1コマ1コマが繊細に描かれていてギャグも細かく展開するし、コマ運びがまた凄く自然でめちゃくちゃ面白いんですよ。それが画面上で再現されているところが大きな見どころじゃないでしょうか。
色味も「こんな感じだよな」って納得しちゃうし、原作が好きな人にとっては、ある意味答え合わせというか「やっぱり高橋留美子って面白いよね」という再認識ができるでしょうし、初めて観る人にはすごく新鮮に映っているんじゃないかなと思っています。

――神谷さん個人も『うる星やつら』の大ファンだと思うんですが、満足のいく内容に仕上がっている感じでしょうか。

神谷 やっぱり自分の声が入っちゃってる時点で「もっとこうした方が良かったかな」っていう反省がどうしても出てしまうんですけれど、それ以外のところはマジで面白くてワクワクしましたね。スタッフやキャストみんながこの作品を好きで、楽しんで作ってるなっていうムードが滲み出ちゃってますから。
あと僕は前作のアニメや原作がすごく好きな、ある意味面倒くさい古のオタクのひとりだと思っていて(笑)、自分が関わってるからこそ今すごく前向きに観られていますけれど、もしそうじゃなかったら悔しくて観られなかったと思います。

――本作では80年代のイメージを強く打ち出していますが、その辺りの印象は?

神谷 そうですね、ビジュアル面では80年代イメージが強く感じられましたし、それを今風にアレンジするとこうなるんだろうな、と。実は僕、申し訳ないんですが80年代のカルチャーって「ちょっとダサい」みたいなイメージを持っていたんですよ。でも『うる星やつら』にはそれが当てはまらなくて、それを違和感なく受け取れるのは才能あるスタッフさんたちの力なんでしょうね。

――最後に、放送を楽しんでいるファンの皆様にメッセージをお願いします。

神谷 これまでいろんなところでくり返していますけれど、『うる星やつら』が毎週新作として観られることがある意味ひとつの「事件」であり「お祭り」だと思うんですよ。色々な意見はあると思うし、確かに原作は古い作品かもしれませんが、せっかくのお祭りなんだから参加しないと損じゃないですか。楽しい時間を皆さんと共有できるように今後も全力で作品作りをしていきますので、皆さんもぜひこのお祭りに参加してください!

>>>『うる星やつら』諸星あたるの名場面、神谷浩史さん撮り下ろしPHOTOを見る(写真18点)

(C)高橋留美子・小学館/アニメ「うる星やつら」製作委員会

アニメージュプラス編集部

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