ドラマ『MOZU』のイラスト・アニメーションなどを手掛けたアニメーション作家、坂本サクが放つ衝撃のホラー・エンタテインメント・ムービー『アムリタの饗宴』が現在公開中だ。この度、本作のヒロイン・たまひ役を演じる声優・内田真礼の独占インタビューが実現、絶叫の連続だったアフレコの印象と、作品の魅力・見どころについて語ってもらった。坂本サクが監督・アニメーション・原作・脚本・音楽をこなし、声優のアフレコと音響効果以外のすべてを一人で制作した長編アニメ映画『アムリタの饗宴』。
同じく一人で制作を手掛け、アヌシー国際アニメーション映画祭などで大反響を呼んだ前作『アラーニェの虫籠』の前日譚にあたる本作は、女子高生・たまひが様々な怪異や未知の恐怖に襲われるという、アニメーションならではのイマジネーションが詰め込まれた絶品のホラー映画だ。
自身もホラーが大好きという内田真礼も、本作の “恐怖” に魅入られたようで……。
ーー本作はホラー・エンタテインメント作品ということで、内田さんが演じるヒロイン・たまひは終始、絶叫の連続ですね。アフレコは大変だったのでは?内田 そうですね、ホラーはとにかく喉を酷使するので。ヤバい生き物がたくさん出てくるのですが、その怖さを観客のみなさんに届けるために収録に合わせて喉を調整して、「この収録で声が壊れてもいい!」というくらいの意気込みで挑みました。でも、日常の中でこんなに叫んだり、恐怖する顔をすることってないので、収録していても楽しかったです。
それに、たまひはずっと怯えているので、常に「はあ……はあ……」と息が漏れているような感じで、普通の言葉のセリフがない場面も多くて。台本に「うわぁ!」とか「あっ!」とか書いてあっても、もう少しニュアンスが出る言葉にしてみたりしながら演じていました。
ーーある意味、内田さんご自身の感性も試されるような収録ですね。内田 アフレコ段階ではまだ、絵も完全にはできあがっていなかったですからね。監督からの指示を聞きながら、完成映像には出てくるらしいという“異形の生物”が、どのくらい気持ち悪いのかを想像しつつ、リアクションを演じてみたり。
ーー自分が何に襲われているかわからない(笑)。内田 “カメムシみたいな虫” と監督に言われて「どういう感じだろう?」と……。いちばん気持ち悪いものを想像しながら戦いました(笑)。
ーーということは、ホラーにもいろいろなタイプがありますが、本作は「気持ち悪い系」のホラー。内田 はい、「気持ち悪い」 を中心に、ホラー独特の “気付いたら後ろにいる” とか、いろいろ詰め合わせの作品になっていますね。
▲内田真礼が演じるヒロイン・たまひ(C)SakuSakamoto / zelicofilm,LLC