• 『小さな巨人 ミクロマン』復刊コミックで甦る人気玩具シリーズの興奮
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2023.06.10

『小さな巨人 ミクロマン』復刊コミックで甦る人気玩具シリーズの興奮

(C) TOMY/(C)ぴえろ・YOMIKO (C)松本久志


時は流れ、アメコミフィギュアの一大ブームをきっかけに大人向け玩具ホビー市場が成立し始めた1998年、タカラは沈黙を破り新たなミクロマンの商品展開を再開。高年齢層向けにシリーズ初期のミクロマン復刻版をリリースする一方、現役の男児をターゲットにしたミクロマンの新規シリーズをスタートさせる。それが「ミクロマン 超磁力システム」である。

▲玩具「ミクロマン 超磁力システム」(左から)ミクロマンアーサー、ロボットマンエース

ネオジム磁石をギミックに使用した新規開発・全高約8センチのフィギュアシリーズで、「マグネパワーズ」と呼ばれるミクロマン5人のチームを中心とした世界設定で商品シリーズを展開。また初期シリーズの「タイタン」の流れを汲む鉄球関節&磁石の大型アイテム・ロボットマンも登場した。
初代シリーズ同様に児童誌での展開は勿論のこと、1999年には『小さな巨人 ミクロマン』としてシリーズ初のTVアニメ化もされるなど活発なメディアミックスを展開した。

今回復刊されたのは、漫画家・松本久志が1998~2000年に『コミックボンボン』(講談社)に連載した作品。キャラの名前や基本設定はおおむねアニメと同じだが、そのコミカライズというよりは、玩具を起点にした別作品として仕上がっている。
母星ミクロアースをアクロイヤーに滅ぼされたミクロマン・アーサーは、アクロイヤーが次の標的に定めた地球へと赴く。地球人の少年・久磁耕平とその弟・祐太、友人・水沢麻美という協力者を得たアーサーの元には仲間のエジソン、ウォルト、イザム、オーディーンが集い、アクロイヤーに立ち向かっていく――。

本作の大きな見どころは、何といってもミクロマンとアクロイヤーの間で繰り広げられる迫力のバトルシーンだ。アーサーたちが周りにある何もかもが大きい地球での戦いに戸惑う一方、いち早く地球に順応したアクロイヤーは洗脳した大人やヒト型アンドロイドを巧みに操り、侵略の先手を打ち続ける。厳しい逆境の中で勝機を探るアーサーたちの戦いは、ハラハラドキドキの連続だ。
また、そんな戦いの中でミクロマンと人間の熱い友情も育まれていく。耕平たちはラジコンを操って敵に体当たりさせたり、アクロイヤーに操られた大人に消火器を吹き付けて動きを封じたりと、様々な形でミクロマンと共闘する。アイディアに富んだそのバディアクションにも、ぜひ注目してもらいたい。

アニメ放送終了後の2000年から、玩具シリーズはLEDを内蔵した「レッドパワーズ」シリーズへと移行。並行して漫画はマグネパワーズ編の15年後の世界を描く「レッドパワーズ編」となり、新たなエネルギー源「レッドジウム」の力により目覚めたアーサーは、大人になった耕平たちと協力して総統アクロイヤーに立ち向かうことになる。

「レッドパワーズ編」は当時の単行本に収録されなかったため、こちらが完全収録された今回の単行本はまさにファン待望のアイテムとなった。
本作を通して、改めてミクロマンというキャラクターの魅力を再発見してほしい。

>>>『小さな巨人 ミクロマン マグネパワーズ編+レッドパワーズ編』名場面を見る(画像15点)

(C) TOMY/(C)ぴえろ・YOMIKO
(C)松本久志
(C) TOMY

ライターぬのまる

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