• 【リーガルリリー】満員の日比谷野音ワンマンライブのレポート到着!
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2023.07.06

【リーガルリリー】満員の日比谷野音ワンマンライブのレポート到着!

【リーガルリリー】満員の日比谷野音ワンマンライブのレポート到着!

リーガルリリーが7月2日(日)に日比谷野外大音楽堂にて、ワンマンライブ「リーガルリリー YAON 2023」を開催した。

雨が続いていた東京で、この日だけ雲一つない快晴。日比谷公園には百合の花が満開に咲く中、学生時代のたかはしほのかにバンドを始めるきっかけを与えたこの場所に、2000人を超える満員の観客が集まった。

リーガルリリーの3人が静かにステージに降り立つと、「ばかばっかのせんじょうに ギターをひとつ持って」と、Vo.Gt.たかはしほのかの歌い出しから始まる「ジョニー」を演奏。ライブでの声出しが解禁になったこともあり、観客の熱量もより一層高く、そのままなだれ込むように「たたかわないらいおん」へ。次に演奏された新曲「ハイキ」では、Ba.海が銅鑼を叩くと同時に、軽やかなバンドのグルーヴが構築されていく。
息を挟む間もないほど続けざまに数曲をプレイすると、エレキギターからアコースティックギターに持ち替えて「overture」が演奏された。その後8曲目「教室のドアの向こう」の終わりまでMCを挟まずに、ただ純粋に3人で音楽をかき鳴らす姿がとにかく印象的な前半パートが過ぎていく。

「リーガルリリーです」とこの日初のMCを終えると、5月にリリースしたMini Album「where?」から、ライブ初披露となる新曲「管制塔の退屈」が始まり、間奏のシンガロングパートでは野音全体が「ららら」という観客の歌声に包まれる。そのあと、Dr.ゆきやまのドラムソロから「ライナー」が幕開け、「アルケミラ」まで勢いをなくすことなく続いていき、しばらくすると、歯車のような機械音がスピーカーから聴こえてきた。その直後、一瞬の静寂とギターのハウリングを挟んで演奏されたのは、同じく「where?」からの新曲「若者たち」。UKロックをバックボーンに持つリーガルリリーらしい独特のコードワークと重厚なサウンドを響かせながら、メッセージ性の強い歌詞を感傷的に放つたかはしほのかを見ていると、いかにリーガルリリーがライブバンドであるかということと、このどこまでも無垢な声がどれだけ多くのリスナーの心を救ってきたのかを改めて実感する。

そして太陽が徐々に沈みはじめ、「GOLD TRAIN」が夜の部へと観客を運ぶ。Ba.海のスラップソロから、Vo.Gt.たかはしほのかがメンバー紹介をすると、照明の明滅にあわせて静と動が入り混じるロックチューン「東京」へ。満月の一夜、少女と狼男の恋愛を歌った「ぶらんこ」など、野音はさらに夜の底へと向かっていく中、スピーカーからは川のせせらぎと虫の声が聴こえてきた。その音に乗せるようにたかはしほのかの朗読が始まり、月の照明とともに演奏されたのは、映画『惡の華』の主題歌に起用された「ハナヒカリ」。日比谷公園の虫の声と相まって会場の空気は一気に幻想的な世界へ転じていた。

そして本編はいよいよ終盤へ。たかはしほのかが「1997年12月10日。私はこの世界の空白を1つ奪いました。そしていつかまたこの空白を返すまでのお話です」という死生観に満ちたMCを放つと同時に、代表曲「1997」の歪んだベースイントロが鳴りだす。曲間では「2023年7月2日 日比谷野音 私は泣くことしかできなかった」と、今この瞬間の感情をそのまま音楽へと流し込むような即興のポエトリーリーディングが鮮烈だ。そのまま最後を締めくくるように、「リッケンバッカー」「はしるこども」と、感情を燃やし尽くすような圧巻のライブパフォーマンスを魅せつけ、夏の夜の匂いに満ちた空気の中、3人は潔くステージを去った。

その後、鳴りやまない拍手の中で再び登場した3人。MCでたかはしほのかは「このステージに立つために、毎日音楽をやってきました。ありがとうございます。まさか家の扉とここが繋がっているなんて。扉をノックする音を自分の好きな音で鳴らせば、その扉を開くことができると思います。みなさんもそれぞれの音で扉をノックして開けてくれてありがとう。」と本公演に込めた特別な想いを語った。そして自身の誕生日である12月10日(日)に、毎年恒例の対バン企画である「cell,core」を今年はZepp Shinjuku (TOKYO)で開催することも発表。

アンコールでは、切り裂くようなハイトーンと痛みを伴った歌詞が印象的な「魔女」を演奏したのち、夏の夜にふさわしい重厚なバラード「蛍狩り」を最後に披露。美しくも儚い轟音のアウトロが夜の野音にどこまでも響き渡った後、メンバーがいなくなったステージ上には幻想的な灯りが灯され、たかはしほのかのポエトリーが印象的なエンディングトラックが流れた。静まり返った夜空に放たれるように、リーガルリリーの野音ライブは幻想と現実の狭間に観客を残したまま幕を閉じた。

アニメージュプラス編集部

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