■「夏の幻」のカバーは、「夏」ではなく「幻」の方に焦点
――そんな儚い夏を感じさせる「世界は君とはじまる」ですが、他に気になった歌詞はありましたか?
Rainy。:〈ちょっとハイになる明日をみたい〉はどういう〈ハイ〉なのか想像を巡らせたりしましたし、冒頭の〈ぎらぎらと太陽放つ模様〉も、その〈ぎらぎら〉はまぶしすぎるぐらいなのか、遠くで燦々と輝いている感じなのか、どのくらいのレベルの〈ぎらぎら〉なのかと。そうやって考えたり想像したりすることも楽しくて、そういうところからもインスピレーションを得て歌っています。
――Bメロの〈あぁ〉や〈ねぇ〉は、ため息とか呼びかけといったいろいろなニュアンスが考えられますが、ここはいかがでしたか?
Rainy。:ここを歌ったら気持ちいいだろうなと思うポイントはたくさんあるんですけど、その〈あぁ〉や〈ねぇ〉は、いろんなニュアンスが想像できて、初めて歌詞をいただいた時は「楽しそう!」「早く歌いたい」って思いました。例えば〈ねぇ〉は、呼びかける〈ねぇ〉もあるけど、「もう、ねぇ~」って拗ねる感じとか、「ねぇ聞こえてる?」って遠くの君に話しかける感じもあります。抽象的なフレーズだからこそ何パターンと想像しても飽きないから、ここのレコーディングはすごく楽しかったです。トータルでは何十回と〈ねぇ〉って歌ったと思いますけど、そういうこだわりも伝わったらうれしいですね。
――もう1曲、GARNET CROWのカバー「夏の幻(TV size) -Acoustic Cover-」も収録しています。
Rainy。:もともと好きな曲でよく鼻歌で歌っていたし、GARNET CROWさんの曲で何をカバーするか決める時、私の中で「夏の幻」が旬だったので、これをカバーしようと思いました。
――原曲はパーカッシブなリズムが印象的ですが、アコギ1本で歌うと違う曲のように聴こえますね。
Rainy。:どちらかと言うと、「夏」ではなく「幻」の方に焦点を当てた感じで、「エモい」って一言で簡単に表現したくはないのですが、「エモい」としか言いようがないですね(笑)。アコースティックで歌うことで、歌詞やメロディから感じるものも若干違って来ると思うので、たくさん聴いてほしいです。
――ギターも格好いいです。
Rainy。:アコギですがしんみりするのではなく、情熱的な感じの演奏をしていただきました。いずれワンマンライブをやる時は、自分でギターを弾きながら歌えたら格好いいだろうなと思ってるんですけど、そもそも楽器が苦手なので人一倍練習しないといけないですね。
■世界中に私の歌を雨のように降らせることが大きな目標
――今後についてですが、8月26日に「Animelo Summer Live 2023 -AXEL-」に出演します。
Rainy。:「行くよ」って言ってくださっているSunny。(Rainy。のファンの総称)の方もたくさんいらっしゃるのですが、まだRainy。のことを知らない方にも知っていただくチャンスだと思っています。知っている方も知らない方も、みんなで一つになって盛り上がれるステージにしたいと思っています。
――さいたまスーパーアリーナという会場についてはどんな印象ですか?
Rainy。:実は昨年開催された『第35回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2022 AUTUMN/WINTER』のオープニングアクトで出たことがあるので、さいたまスーパーアリーナに立つのは2回目ですが、同じさいたまスーパーアリーナでも『アニサマ』はアニメオタクとして憧れの聖地です。アニメファンの方にどんな印象を持たれるかも気になりますし、もっともっと歌唱力やパフォーマンス力を上げて本番に臨みたいと思っています。
――では最後に今後の目標をお願いします。
Rainy。:ワンマンライブを開催することです。それこそRainy。という名前がもっともっとたくさんの方に知れ渡って、Sunny。の方が増えたら全国ツアーをやってみたいです。さらに私のルーツであるオーストラリアでもライブをしてみたくて。Rainy。という名前が表す通り、世界中に私の歌を雨のように降らせることが大きな目標です。
――『名探偵コナン』は海外でも人気ですからね。
Rainy。:はい。オーストラリアに住んでいる従姉妹がアニメオタクで、『名探偵コナン』のエンディングを担当することが発表された時も、「ちょっと待って!!!」って興奮気味に連絡が来ました。もともと私がアニメ沼にハメたのに、今では私よりもアニメに詳しくなっていて、逆にいろいろ教えられています。もしオーストラリアでライブをやることになったら、従姉妹も相当びっくりするんじゃないかな(笑)。