人気ゲームを原作にしたTVアニメ『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』のエンディングテーマ「アロー」が好評の4人組バンドAwkmiu。話数が進めば進むほど歌詞の内容とライザたちの心情がマッチする同曲は、アニメに寄り添いながら、Awkmiuというバンドの持つスケール感や音楽的な奥行きも表現された。同曲を収録したEP『アロー』や、4人の持つ独特な経歴について、メンバーのシキ(Vocal & Guitar)、Aki(Keyboard)、カヤケンコウ(Bass)、関根米哉(Drums)に聞いた。(後編/全2回)
【前編】【Awkmiu】『ライザのアトリエ』ED曲「アロー」制作秘話と伏線の数々■人生で観た夕日で一番きれいでした――「アロー」のミュージックビデオはとても壮大ですね。シキ(Vo, G):新潟県の佐渡島で撮影しました。偶然なんですけど、エンディングの映像の背景がすごく似ていて。最後にライザが立っているシーンが、MVのシーンともリンクしているので、ぜひ両方観てほしいです。
――佐渡島は行くのも大変ですよね。シキ:大変だったけど、すごく楽しかったですよ。最後の演奏シーンは空がすごくきれいで、人生で観た夕日で一番きれいでした。
関根米哉(Dr):引き潮の海岸で演奏しているシーンがあるんですけど、楽器を運び入れている時はまだ潮が引いてないから大変で。
シキ:楽器を濡らさないようにみんなで楽器を抱えて、岩から岩に飛び移りながら運んだんです。
Aki(Key):夕日に合わせないといけなくて、本当にギリギリでした。
カヤケンコウ(B):まるでライザたちの冒険みたいだったね。
■EP「アロー」には、多彩な楽曲を収録――そんな「アロー」を表題曲にしたEP「アロー」がリリースされます。どんな曲が入っているのか、どんな感じの作品か教えてください。シキ:いろいろな時期の曲が入っていて、「Mr.Crier」や「1089」は前のバンドからの曲で、「Mr.Crier」は古くて3年ぐらい前にできた曲です。そこから米哉さんが入って作ったのが「アロー」や「そこから」で。
関根米哉:ある日、そっと三拍子の曲(「そこから」)を書いたんです。
シキ:ハチロク(6/8拍子)が好きなんですよ(笑)。
Aki:また「1089」は非常にポップな曲なんですが、それこそ上原ひろみさんのとある曲をオマージュして僕がアイデアを出しました。
シキ:間奏でナレーションみたいな部分があったり、裏でモールス信号が鳴っていたりして、それらを紐解くといろいろなものが隠されています。意味というよりも、そういう遊びを入れたくて作りました。前のバンドからの曲ですけど、雰囲気は大分変わりましたね。
――あの♪テッテッテッテレッテというフレーズが、すごく耳に残りました。シキ:あれいいですよね(笑)。
関根米哉:そこは、今回新たに加わったところです。
――「1089」は何と読むのですか?シキ:「船舶」です。遠くに島が見えて、そこに向かって航海を続けるストーリーです。「アロー」だけでなく、どの曲からもいろんなストーリーや情景を感じてもらえると思うので、ぜひ聴いていただきたいです。