• 【DAICONIVOPアニメ】伝説のアニメを飾ったバニーガールヒロイン誕生秘話
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2023.10.26

【DAICONIVOPアニメ】伝説のアニメを飾ったバニーガールヒロイン誕生秘話

今年で40周年を迎えた『DAICONIVオープニングアニメーション』の女の子(C)DAICON FILM


――さて、女の子のデザインはどのように決まったんでしょうか。

赤井 デザイン的には、当時のSF界隈で人気だった吾妻ひでおさんのテイストを入れたい、と。あとは(『ルパン三世 カリオストロの城』の)クラリスのイメージも。

――ああ、髪型がモロですね。

赤井 目の色とかもそうですね。そういう意味では非常に分かりやすい記号で出来ているキャラクターですね。そこで体操服&ブルマ+ランドセルという組み合わせと、今のブラウス&スカート+ランドセルという組み合わせの2パターンを提出しました。
僕はブルマ推しだったんだけど、最終的に山賀くんがスカートに決めたんじゃないかな。あとはネクタイなどで清楚なイメージを加えて、ランドセルからは様々な武器が飛び出して……みたいなことをやったらすごくウケたわけです。
▲「DAICON FILM大展示会」東京会場(「ワンダーフェスティバル2023 Summer」)での展示の様子

▲『DAICONIII オープニングアニメーション』

――『DAICONIIIオープニングアニメ』の好評を経て、DAICON FILMの活動が本格化していきます。

赤井 『DAICONIIIオープニングアニメ』での山賀・庵野・赤井は、アニメを作るだけに召集された明治初期の雇われ外国人技術者みたいな気分だったので、この仕事を終えたらまた普通の学生に戻るはずだったんです。ところが夏の終わりの深夜喫茶に3人が集まって、話し合った末に「あの連中は面白いから、もうちょっと付き合ってみよう」ということになり、その翌々年に開催される「DAICONIV」ではもうちょっと踏み込んだ形で関わることになるんです。

で、僕の方からは「DAICONIVの宣伝や人員育成のためにフィルムを作りましょう」と提案したことから実写作品の『快傑のうてんき』『愛國戰隊大日本』『DAICON FILM版帰ってきたウルトラマン』を作って、さらに山賀くんや庵野くんはDAICONIIIで出来た伝手を頼って『超時空要塞マクロス』の現場に入って、プロの仕事を覚えてまた大阪へ戻って来たわけです。
▲『DAICON FILM版帰ってきたウルトラマン』

――プロの仕事を辞めてアマチュアの仕事に戻るのがすごいですね(笑)。

赤井 で、『DAICON IV オープニングアニメ』に取り掛かるわけですが、IIIの女の子を超えるキャラを生み出すのはなかなかに難しいわけです。そんな時、たまたま武田さんが「梅田にあるバニーガールの店に呑みに行こう」と誘ってくれまして。

――「the Royal」ですね。当時関西ではTVCMもやっているくらい有名なチェーン店でした。

赤井 はい、何度か通うことになったんですが、そこで見たバニーガールのインパクトはすごかったですね。純情な大学生にはとにかく刺激が強く「これぞまさしくセンス・オブ・ワンダーだ!」と(笑)。

鋭いハイレグが網タイツによっては太腿と鼠径部の境界線をすごく強調している一方で、ワイヤーの入った本格的なスーツがストイックにボディをガードしていて、実によく考えられたデザインだなと感心したんです。今でこそバニーガールはポピュラーですけれど、当時のアニメやマンガではほぼ見ることもなかったので「純情可憐な小学生の少女が一転、バニーガールになったら面白かろう」と。
▲『DAICON IV オープニングアニメ』の女の子

――これは大きな出会いですね。

赤井 山賀くんとはすぐコンセンサスがとれたんですが、「おそらく岡田さんは嫌がるだろう」という話になったので、山賀くんが説得に行ったところ、案の定、「バニーガールは店でお酒を給仕する存在で、SFとは何の関係もないじゃないか!」と言い出したそうで。

――岡田さんって、結構お堅いタイプなんですね。

赤井 議論する時は理論武装して攻めてくる感じですが、納得してくれましたね。その後「赤井はバニーガールを描くために何度もthe Royalに通い詰めた」みたいな話も広まりましたけど、それは間違いなんです。

――むしろthe Royalのインパクトを元にしてデザインを起こしたわけですね。ちなみに、IVの女の子は何歳のイメージなんですか。

赤井 ああ、(IVは)「III」の2年後の開催なので、14歳ですね。
▲「DAICON FILM大展示会」東京会場(「ワンダーフェスティバル2023 Summer」)での展示の様子

――あ、勝手にもうちょっと上の年齢だと思っていました。

赤井 (『新世紀エヴァンゲリオン』の)レイやアスカと同じ年齢と思えば、そこまで変でもないわけで(笑)。胸はあるけど、まだあどけない感じは出していたつもりだったんですが……作画が進むにつれて、何となく大人びていったんですね(笑)。

(C)DAICON FILM

アニメージュプラス編集部

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