• 【攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間】公安9課キャストが語る劇場版ならではの魅力
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2023.11.22

【攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間】公安9課キャストが語る劇場版ならではの魅力

(左から)バトー役/大塚明夫さん、草薙素子役/田中敦子さん、トグサ役/山寺宏一さん 撮影/能美潤一郎

1989年に士郎正宗により発表された原作コミックを柱にして、様々なメディアミックスが展開されてきた「攻殻機動隊」。その最新作が神山健治監督・荒牧伸志監督がタッグを組んだ、現在Netflixにて全世界独占配信中の『攻殻機動隊 SAC_2045』だ。
2021年に公開された『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』に続き、配信中のシーズン2(全12話)に新シーンを追加して新たな劇場作品としてリビルドさせた『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』がいよいよ11月23日(木・祝)に公開される。

『2045』シリーズが本作をもって完結を迎え、長きに渡り戦い続けた公安9課メンバーの胸にはどんな思いが去来しているのか。草薙素子役/田中敦子さん、バトー役/大塚明夫さん、トグサ役/山寺宏一さんにお話をうかがった。

――まずは本作の基となる『2025』シーズン2の印象からお聞かせいただけますか。

田中 シーズン2はちょうどコロナ禍での収録だったので、1つのスタジオには2~3人ぐらいまでしか入れなかったんですが、演技の絡みのある人たちは一緒に組ませてもらったので、会話が成立するような形で収録できて良かったです。

大塚 ストーリーも面白かったです。もう少し早く皆さんに続きを見せられれば良かったんですが(笑)、フラグ回収というんですか、これまでばらまかれていた謎がバンバンと拾われて解かれていく怒涛の展開でしたし、今までは人間社会を危うくする敵を相手にして奮闘してきたわけですけれども、今回の場合は果たして敵なのか、そもそも倒すべき存在なのかという問題も出てきまして……その中でもがく9課メンバーがとても愛おしかったです。

――山寺さん演じるトグサは、シーズン1のラストで姿を消していたので心配されたのでは?

山寺 そうそう、「自分はどこにいるんだ?」っていうところから始まりましたからね。正直「シマムラタカシって何者? 『N』って何? 『ポストヒューマン』って何?」みたいな感じで、先の展開を本当に知らなかったので何もわからぬままに演じていて、そういう意味ではリアルで良かったのではないかと(笑)。

――山寺さんご自身も本作に翻弄されていたわけですね(笑)。

山寺 ええ、トグサと一緒に事の成り行きを見つめていた感じです。そもそも何が現実で何が現実でないのか、今でもわからないところがありますし。すべてを達観して見ている少佐の理解すら超えることがあったわけですからね。ラストの展開は本当に衝撃的でした。

大塚 「9課の活躍で街に平和が戻りました!」という話じゃないですから(笑)。

山寺 相手にするのもポストヒューマンだけでなく、アメリカとの駆け引きもありますし。

田中 あと今回はモーションキャプチャーを取り入れているせいでしょうか、アクションもダイナミックですよね。開幕早々からジェット機がハイジャックされたり、原子力潜水艦も登場するし、物語のスケールも大きかったと思います。

――皆さんのお話どおり、シーズン2は盛りだくさんかつ寄り道なしの全12話だったと思います。それを2時間の映画にすると聞いた時、「どんな内容になるんだろう」みたいな想像などはされましたか。

大塚 もうそんな予想をしようとすら思いませんでしたよ。だって「きっとすごくなるんだ」って信じていましたから(笑)。

――その自信は「そもそもの作品がすごいから」ですよね?

大塚 勿論そうですよ!

山寺  藤井道人監督や(共同編集の)古川(達馬)さんのインタビューも読ましてもらいましたけれど「(シーズン2に)要らない要素なんてない、どうするんだ!」っておっしゃってて。でもいざ本編を観てみると、軸となる話を選んでしっかりと……。

大塚 軸じゃない話なんて本当はないんだけどね(笑)。

田中 (江崎)プリンの話は取っても成立するかなと思ったけど…。

大塚 それをやっちゃうと、クライマックスが成立しなくなるね。

山寺 よくぞここまで見事にまとめられたなって驚きました。

大塚 藤井監督は、さぞかし苦労されたんでしょうねぇ。

田中 藤井監督が実写畑の方なので、私はどんな編集で「映画」にしてくれるんだろうっていうワクワク感が多かったですし、再アフレコのシーンがあると聞いた時には「どんな風に変わるんだろう」っていう楽しみもありました。
今回、藤井監督と神山(健治)監督がラストの展開に関して何十時間もディスカッションを重ねたと牧野プロデューサーから伺ったんですが……。

山寺 えっ、そんなに?

田中 でも、最終的に神山監督がきちんと納得される形のシナリオになったということですから、お二人の才能が融合した1作に仕上がったと思いますよ。

山寺 我々は演じた側なのでシリーズの内容は全部わかっていますけれど、この作品がフラットな気持ちで観てどんな印象を持たれるんだろう、っていうのが今一番気になりますね。僕たちは「あ、自分の演じたあのシーン、 カットされてる!」みたいなところがどうしても気になっちゃうから。

田中 そんなこと思わないって(笑)。

山寺 まあそれは冗談なんだけど、本当に感想が聞きたいですね。絶対楽しんでもらえると思うし、オリジナルシリーズも改めて観たくなると思いますから。

(C)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会

アニメージュプラス編集部

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