• 『TSUBURAYA CONVENTION 2023』オープニングセレモニーを振り返り
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2023.12.09

『TSUBURAYA CONVENTION 2023』オープニングセレモニーを振り返り

(C)円谷プロ

『TSUBURAYA CONVENTION』(ツブコン)は、円谷プロ作品を愛するすべてのファンに贈る祭典。東京ドームシティと東京ドームホテル内で多くのゲストが出演する多彩なプログラムが行われた。またプリズムホールでは2日間にわたりグッズの販売やキャラクターとの撮影会、トークショーも行われた。
ちょっと時間は経ってしまったが、初日の朝に行われたオープニングセレモニーでは今後展開していく新たな作品やプロジェクトの最新情報をゲストを迎え発表された。あらためて振り返りレポートをお届けする。

>>>ツブコンオープニングセレモニーの様子(写真55点)

◆空想の力◆
メインプレゼンターとして登壇したのは、円谷プロダクション 代表取締役会長 兼 CEOの塚越隆行。
「今年のツブコンは円谷プロ創立60周年記念開催となります。人間でいえば還暦、この節目の年に円谷プロの原点に立ち戻る、それを今回のツブコンのテーマとしました。それは “空想の力” です。『ウルトラQ』から始まる円谷プロの作品群は、特撮という映像技術もストーリーも、キャラクターデザインや美術も、演出も演技も、全てが作品に関わった人々の空想の力から生まれたものです。人類が空想を楽しむ限り、私たちは空想の力を信じて、作品をつくり続けたいと思います。」と今回のテーマへの想いを語った。

また『空想の力』のシンボルについて、「円谷英二監督は少年時代、家の近くのお寺の銀杏の木に登り、空を見上げて飛行機乗りになることを夢見ていたと言われています。空を飛ぶのはどんな気持ちなのだろう、どんな世界が見えるのだろう。まだ見ぬ土地、まだ知らぬ人々との出会い、様々な空想が広がったのではないかと思います。私たちは英二監督をはじめとする先人の空想の力を大事にする遺伝子を大切に引き継いでいくことを、このシンボルに込めました。今後私たちがさまざまな形でこの活動を進めるときに、皆様の目に留まることと思います」と、新たなシンボルを掲げた決意も語った。

◆『ウルトラセブン』55周年プロジェクト◆
今年5月に公開したコンセプトムービー『ウルトラセブン IF STORY 「55年前の未来」』の完成版を初公開。このコンセプトムービーは、55年前の未来、つまり現在と未来をつなぐ物語を1967年放送当時にシリーズの一編として混載したかもしれないストーリーとしてイメージ、事の起こりを描いた作品。

4K映像で仕上げられた作品の上映後にステージに現れたのは、『ウルトラセブン』でモロボシ・ダンを演じ、今回のコンセプトムービーでは薩摩次郎として出演している森次晃嗣。

「デュワッ!! 今日は朝からこの後楽園が、当時の円谷プロのようにテンションが上がってますね。皆さん早い時間から集まっていただいて、本当にありがとうございます。」と挨拶。
コンセプトムービーの感想を聞かれると
「撮影の時は寒くてね。『ウルトラセブン』では「零下140度の対決」なんて話もあったんですけど、年齢も経た今、厳しかったですね。映像に出てくるモロボシ・ダンが、若いころの自分か!? という感じでした」と撮影の裏話も語ってくれた。

そして55周年について振り返り、
「当時僕は24歳でした。モロボシ・ダンは宇宙人なんですよね。宇宙人なんてわからないですよね。だからあまり深く考えず、選んでもらった森次晃嗣の魅力を1年間突っ走ればモロボシ・ダンになるのかなと。それが良かったと思います。」
55年、愛され続けている理由を聞かれると、
「それはやっぱりモロボシ・ダンを演じた森次晃嗣が良かったんじゃないかな」とのコメントに会場は大きくうなずきながら大拍手。
最後にメッセージ
「『ウルトラセブン』の55周年は、昨年の東京国際映画祭に始まり、いろいろなところに行って皆さんにお会いしましたけど、『なぜこんなに愛される作品になったんだろう?』と考えると、当時、青春を燃やして作っていたスタッフの皆さんの姿が脳裏に浮かびます。皆さんも喜んでいると思います。僕がM78星雲に帰っても、『ウルトラセブン』は生き続けていくと思います。今日で終わりではなく、まだ続きますから。永遠のヒーローになったのかなと思います」と、これからも、永遠に続いてゆく『ウルトラセブン』への想いを語ってくれた。


◆『空想特撮シリーズ ウルトラマン 4Kディスカバリー』◆
『空想特撮シリーズ ウルトラマン 4Kディスカバリー』は、「いのちの物語」「ロマンの物語」「仲間の物語」「正義の物語」の4つの作品からなり、各作品に『ウルトラマン』シリーズのエピソードが観られる、『ウルトラマン』に改めて興味を持って楽しんでもらうための作品。この中で、「いのちの物語」が12月1日から円谷映画祭Part.2で上映されている。
「いのちの物語」は、不思議な映画館が舞台。劇場の支配人と映画館に来た謎の少女が『ウルトラマン』を鑑賞し、そこに描かれているメッセージについて語り合うというもの。

予告編の上映後、『ウルトラQ』と『ウルトラマン』ではナレーションを担当し、本作で支配人を演じている石坂浩二が登壇。
「なかなか大変な撮影でしたがやっと撮り終わりまして、予告編を見ると、まあまあかなと思います。機会がありましたらぜひご覧になってください」と挨拶。

あらためて出演した感想を聞くと、
「4Kというと、映像が細かく繊細に、きれいになるんだと思うでしょ、そればかりではないんです。そこに込められた、あの頃のスタッフの情熱も4Kになるんです」とコメント。
2石坂浅沼
令和になっても新作が作られるウルトラマンシリーズの魅力を聞かれると、
「『ウルトラQ』と『ウルトラマン』のナレーションをやらせていただきましたが、当時感じられた熱気が、今でもずっと円谷プロには伝えられている。それが観ている皆さんにも伝わっているのではないでしょうか。塚越会長のお話をうかがっていても、やっぱりお好きなんですね。これでこの先も大丈夫だろうと感じました」

最後に、『ウルトラマン』に感じる「空想」とは何かを聞かれ、
「この年になって『ウルトラマン』最初の頃の作品を観てみると、戦う中に込められているメッセージこそが空想なんですね。そこから世界の平和といったことにつながっていくのだと思います。そういうメッセージを、4Kから感じていただければと思います」と締めくくった。

(C)円谷プロ

アニメージュプラス編集部

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