• 「俺も行く」の舞台裏は? 『ウルトラマンブレーザー』SKaRDキャスト&田口清隆座談会
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2024.02.22

「俺も行く」の舞台裏は? 『ウルトラマンブレーザー』SKaRDキャスト&田口清隆座談会

(左から)梶原颯さん、伊藤祐輝さん、田口清隆さん、蕨野友也さん、搗宮姫奈さん、内藤好美さん 撮影/真下裕(Studio WINDS)



◆SKaRDは永遠に◆

――田口監督にとっては過去のメイン監督作品以上に、作品に対して深い関わり方をしてきた『ウルトラマンブレーザー』ですが、一区切りを迎えて達成感のようなものはありますか?

田口 夏に「G-FEST」というアメリカのゴジラや怪獣映画の祭典に参加していたのですが、開催中に第2話が放送されて、アメリカのファンの方々が俺に向かって(ブレーザーを真似して)釣りの動きをしていたんです(笑)。今回は円谷プロさんがかなり力を入れて、海外でも同時に観られるようにしてくれたおかげで、世界的に同時に盛り上がれた。ゲントさんも中国のイベントに出たんですよね。

蕨野 はい、すごかったですよ。やっぱり世界同時放送というのは大きいと思います。

内藤 イベントのタイミングで「隊長に会った?」と中国語でSNSに投稿したら、一日で260件くらいコメントと隊長の写真がバーッと流れてきました。

田口 エミも海外で声かけられたんだよね?

搗宮 そうなんですよ、ニューヨークとベトナムで。ニューヨークの時はちょうど第4話の後で、たまたまブレーザーのイベントがあってそこに顔を出したから、声をかけられるのもわかるんです。でも、ベトナムはただ街中を歩いていた時に、私を見て飛び跳ねている男の子がいて、「観てます!」って話しかけられました。

内藤 ベトナムで会うとは思わないもんね。

田口 「なんでいるの」って。

搗宮 そうそう、「なんでいるの」って言われました(笑)。

梶原 すごいなぁ。海外行かないから、まだ自分はそういうことないけど。

内藤 見つかったら怖いね。

伊藤 悪いことはできない。

梶原 しないですから(笑)。

田口 お客さんの反響という意味では、約10年間関わってきた中でも初めての体験でした。そもそも『ウルトラマンブレーザー』は海外で売り出すと聞いていたから、いろいろ意識したところもあるんです。前のシリーズと全く関係ない世界観にして、今まで観たことがない人も『ウルトラマンブレーザー』から楽しめるようにしたり。それがぴったりとハマって、手ごたえとしては非常に良かったと思っています。



――最後にSKaRDキャストの皆さんからも、読者へメッセージをお願いできれば。

伊藤 劇場映画を含めて、ようやく全てをお届けできたという気持ちと、終わってしまった寂しさを感じています。テルアキは今もSKaRDの一員として全力を注いでいると思うので、ふとした時に「どうしているのかな」と思い出していただけたら、とっても嬉しいです。

梶原 こうしてみんなの言葉を聞いていると、「終わったなぁ」って実感しますね。“ウルトラマン”は子どものころから知っている偉大な作品で、本当に出られてよかったと思っていますし、すごく嬉しかった。応援してくれた皆さんにも感謝だし、一緒に作品を作り上げてきたキャストやスタッフのみんなにも感謝の気持ちでいっぱいです。

内藤 作品自体が小さな子どもたちに夢や希望を与える内容で、大人の方にもたくさんの応援をいただけて、本当に尊い仕事だったなと。キャストのみんなと出会えて嬉しかったし、スタッフさんたちと一緒に作り上げた、誇りに思う作品になりました。女優としての第一歩を『ウルトラマンブレーザー』で踏み出せたことに、一生感謝して生きていきたいです。寂しい気持ちはありますが、SKaRDはきっと今も地球を守っていると思うし、私たちはSNSとかでつながっていけるので、みんなには「これからも一緒だよ」と伝えたいです。

搗宮 ヤス(梶原さん)と同じで、私も「終わってしまった」と感じています。観ている皆さんの感想や反響を見聞きし、世界を周っている時もいろいろな方に声をかけていただいて、なんて偉大な作品に出てしまったんだろうと思いました。そして、搗宮姫奈の人生において、本当にかけがえのない時間になりました。自分に子どもができたら『ウルトラマンブレーザー』を見せたいなと思うし、観て「頑張ろう」って気持ちになってくれたらいいな、って思っています。

蕨野 ブレーザーが自分を拾ってくれたというか、作品が目をつけてくれたというか、そんな奇跡の出会いから始まり、顔合わせの時間が取れずに一歩出遅れたスタートを切り、気づいたら撮影も半ばくらいになっていて……。撮影中は俺の役が何を伝えたいのか、どこまで何を伝えるために俺は走ればいいんだろうと、台本を受け取るたびに思っていたんですよね。観てくださる年齢層が幅広いからピンポイントにやるつもりはなく、これから生まれてくる子や、その子たちが何十年か経った後に観ても、良さが伝わる作品を残したかった。そんな思いで突っ走ってきたことに、個人的には悔いはないです。みんながSKaRDのことを忘れてしまったとしても、きっと俺たちは世界の裏側を走り続けている。だから、みんなの想いがあればいつでも戻ってこられるのかなと、そんなふうに思っています。



<Profile>
蕨野友也(わらびの・ともや)
1987年8月4日生まれ。宮崎県出身。代表作に『仮面ライダードライブ』(ハート)、『最高のオバハン 中島ハルコ』(若杉慎之介)など。

搗宮姫奈(つきみや・ひめな)
1996年11月16日生まれ。愛知県出身。代表作に『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(河合未来)、『爆裂魔神少女 バーストマシンガール』(アミ)など。

内藤好美(ないとう・このみ)
1994年11月18日生まれ。埼玉県出身。俳優業だけでなく、パーソナルトレーナーなど多方面で活躍している。

梶原颯(かじはら・はやて)
1994年6月4日生まれ。兵庫県出身。俳優として活躍するほか、20年から4回連続で「SASUKE」に出場。

伊藤祐輝(いとう・ゆうき)
1987年1月24日生まれ。北海道出身。俳優として多数の作品に出演。『MIRRORLIAR FILMS plus「ハレの夜」』では、監督・脚本にも挑戦した。

田口清隆(たぐち・きよたか)
1980年5月7日生まれ/北海道出身/代表作に『ウルトラマンZ』(メイン監督・シリーズ構成)、『ゆうべはお楽しみでしたね』(監督)など。

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンブレーザー特別編製作委員会

アニメージュプラス編集部

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