• 渾身の「ゼアッ!」は魂を込めています! 駒田航インタビュー
  • 渾身の「ゼアッ!」は魂を込めています! 駒田航インタビュー
2021.01.03

渾身の「ゼアッ!」は魂を込めています! 駒田航インタビュー

(C)TSUBURAYA PRODUCTIONS



ウルトラマンリブットは、熱くて聡明なウルトラマン


――アフレコはいかがでしたか。

駒田 前作で基本的なモーションボイスは録っていたので、今回は、自分が用意していたものに、ここはもう少し語気を強めにとか、少しだけ調整してもらった感じです。想定から大きく外れたことはなかったので、とてもスムーズにできたと思います。

――ウルトラヒーローには、「ジュワッ」などの独特の声もありますが、リブットの声はどのように作っていったのでしょう。

駒田 リブットはすごく芯が強いタイプだと思っていて、そして僕は声の芯が強めの発声をするタイプなので、そこを最初のアフレコで打ち出したんです。細かなディレクションはありましたが、声の出し方は大筋その状態でいけるという判断になったので、大変やりやすかったです。あれこれ声のことに意識を持っていかれずに、リブットの心情に集中してしゃべっていれば良いことになりますから。話し方は、歯切れの良さを意識しています。語尾を含めて、息の量というよりは、パン!パン!パン!と一つ一つの言葉をはじき出していくような感じ。全部が決め台詞、というイメージです。「私がいきます!」とか「お任せください!」とか、頼られていることを彼が自負するような発言が多いので、自分の言葉にためらいがないウルトラマン。そう考えると、言葉をシャープに、淡々とした発音のほうがいいのかなと思いますし、「ゼアッ」とか「タアッ」とかも、溜めがよほどない限りは「ゼアッ!」って、切るような声の出し方を意識しています。
でも「ゼアッ」とか「シュワッチ」は、上手い下手の基準がわからないですよね(笑)。リブットはほぼ一発でOKでしたが、何回もやり直していたらスランプになっていたかもしれません(笑)。
リブットの掛け声では、「ゼア!」が一番僕は楽しくて好きですね。飛んでいくときの声です。僕の渾身の「ゼア!」は本当に魂込めて言っています。

――リブットはクレバーな印象です。

駒田 そうですね。言葉ヅラを台本で追っていっても、すごく聡明なタイプというか、頭がいい。正義感がすごく強くて感情的になることもありますが、エリートなんだろうなっていうことを感じさせてくれます。決してクールな、冷めた感じとは違うんですよね。すごく熱いものを持ってる聡明なキャラクター。

――駒田さんの声質が合ってると思います。

駒田 そんな声に聴こえていますか!?(笑)。比較的インテリジェンスなキャラクターを演じることが多いかもしれませんが、声質と本当の自分とのギャップに、たまに吹き出しそうになります(笑)。「こんなに格好いい人、僕でいいの!?」みたいな。

――ナチュラルで知性があるという。

駒田 この音声もらってもいいですか(笑)。落ち込んだときに聴こうかな。

――既に駒田さんの中でリブット像は確立されているんですね。

駒田 ウルトラヒーローは表情が変わりませんが、ひとつひとつの動きがすごく表現しているので、そこに注目しています。僕は正直、ウルトラマンって無音でもわかる作品だと思うんです。敵に対してこういう感情なんだろうなって、動きでわかるのが、僕がウルトラマンを好きなポイントです。そこに声を乗せるので、下手をすると質を下げてしまうんです。今回のオールスターのような声優陣が固めていく中で、リブットがその温度感をズラすわけにはいかないので、台本もしっかりと前後関係を含めて把握して、動きの映像は何度も観ることを、どの作品よりもさらに強く意識しました。

――たくさんのアニメ作品に出演されていますが、ウルトラマンシリーズだと違いますか。

駒田 違う感じがします。ウルトラマンフェスティバルなどのイベントでも、出てきただけで子どもたちは応援したくなる。そういう気持ちにさせるのを、台詞で煽らなくても動きで見せるって、すごく高度なテクニックだと思うし、年月を重ねてできたクオリティだと思います。僕なんかよりもたくさんの時間と情熱をキャラクターに注いできた方が演じているから、そこにさらに声をあてるとなると、全然勝手が違いますね。スーツアクターさんにリスペクトを込めて声をあてなくてはと思っています。


(C)TSUBURAYA PRODUCTIONS

文/アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事