• 湯浅政明監督『犬王』ジャパンプレミアで判明した “必見” の理由!
  • 湯浅政明監督『犬王』ジャパンプレミアで判明した “必見” の理由!
2021.11.04

湯浅政明監督『犬王』ジャパンプレミアで判明した “必見” の理由!

(C)2021 “INU-OH” Film Partners

去る11月3日(水・祝)に東京国際映画際にて、湯浅政明監督の新作アニメーション『犬王』のジャパンプレミアが開催された。
長編初監督作『マインド・ゲーム』以降、手描きアニメーションの可能性を追求する独特の作風で数々の個性的な作品を世に送り出し、日本国内のみならず世界中のファンを魅了してきた湯浅監督。
近年は『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』『きみと、波に乗れたら』などの劇場作品、『映像研には手を出すな』『DEVILMAN crybaby』『日本沈没2020』などTV/配信のシリーズも精力的に手掛け、話題を振りまいている。
そんな湯浅監督の最新作ゆえに多大な注目を集める、この『犬王』。
ジャパンプレミアで明らかになったその内容は、膨れきった期待を決して裏切らない……それどころか、観客の予想を軽々と上回るエネルギーに溢れる快作だった。

一般の劇場公開は2022年初夏ということで、まだ少し先。
それゆえに詳しい解説は避けたいが、今回はプレミア上映後に行われた湯浅監督のティーチインでの発言も交えながら、本作『犬王』が “必見” の一作である理由を紹介したい。
▲登壇した湯浅監督。

【観客を踊らせる映像】
「昨日、一昨日と試写を4回うしろに立って観ていたのですが、なんでみんな動かないんだ? と思いながら(観客の)頭を観ていました」と語り、会場の笑いを誘っていた湯浅監督。
つまり、湯浅監督は本作を「人の身体を動かす=踊らせる」ことを意識して作ったということのようだ。
その意図は確かに、映画を観ても感じられる。
本作は室町時代を舞台に、異形の能楽師・犬王と琵琶法師・友魚の “成り上がり” のストーリーで、伝統芸能の常識を破壊するかのような二人のパフォーマンスを描くミュージカル的なシーンが重要なパート。
大胆に歌い、舞う犬王と友魚のライブは、湯浅監督作らしい躍動感に溢れている。
そして、その映像は単に「気持ちよく動くアニメーション」というだけでなく、観る側を強く喚起し、一緒に踊りたい気持ちにさせるような圧倒的なエネルギーを放射している。
目や頭だけではなく、身体で感じるアニメーション。
それは、手描きアニメーションの魅力を突き詰め続けてきた湯浅監督だからこそ到達できたオリジナリティだと言えるだろう。
本作の最大の魅力がまず、ここにある。

(C)2021 “INU-OH” Film Partners

アニメージュプラス編集部

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