入野自由が新曲・カバーでチャレンジを重ねた最新ミニアルバムの魅力

――2曲目以降のオリジナル曲についてもお伺いします。まず、sooogood！さんが作詞・作曲・編曲を担当された『Super Candy Funk：）』はどのように生まれた曲でしょうか？

入野　sooogood！さんとは元々交流があって、いつもアイデアをくれるし新しい音楽を僕に与えてくれる存在で。sooogood！さんがやってみたいという曲を、自分が歌ったらどうなるのか分からないけどやってみようと、今回も信頼して挑戦しました。

『Super Candy Funk：）』はとても早口で歌う曲なので、口が回るか回らないかみたいな物理的な部分もですが、自分の中で完成形がなかなか見えなくて……レコーディングした時にはどうなるのかが分からない中でのチャレンジだったので、そういう意味での難しさはありました。自分の声だけだとすごくもの足りなく聴こえたのですが、実際コーラスやアレンジが入ったものを聴くと、こういうことかという納得しました。

――『FUN！！！』は、Mega Shinnosukeさん作詞・作曲の爽やかなバンドサウンドです。

入野　Megaさんは「いつでも曲書きます！」って言ってくれたので、青春サウンドをやりたいなという話をして作ってもらいました。
Megaさんもレコーディングに来てくれて、ローファイ感というか、綺麗に歌わないというようなことを意識してほしいと「もっと少年感で歌ってください」というMegaさんからこだわりのディレクションもあって（笑）。声の印象だとか、ちょっと浅いところを意識して歌うとか……Megaさんのいう少年感に合うのかどうかというところをいろいろ試してすり合わせました。これも難しかったです。

――きなみうみさん作詞・作曲・編曲の『Party』は一転、大人っぽい印象の曲ですね。

入野　きなみさんもディレクターからの紹介だったんですけど、デモをいくつか聴かせていただいた時に、洋楽のテイストが感じられてどのデモもすごく好きだったのでお願いしました。
『Party』はブラックミュージックっぽい感じもあったりするので、あまりはっきりした日本語っぽい感じで歌ったのですが、ルーズ過ぎると曲の雰囲気を壊してしまうのでバランスが難しかったです。

――yonkeyさん作詞・作曲・編曲の『ライフダンサー』はいかがでしょうか？

入野　yonkeyさんはsooogood！さんからの紹介でだいぶ前に知り合っていて。「新しい学校のリーダーズ」というグループのプロデュースとかもしているのですが、僕はその曲がすごく好きだったこともあって、ずっと一緒に仕事してみたいと思っていたので今回お願いしました。

ラップ調の曲を歌ったこともありますが、『ライフダンサー』はその中でも雰囲気が違ったので難しかったです。yonkeyさん本人が仮歌を歌っていたので、それを自分の中にトレースして、レコーディングでは歌いました。

――最後の『Just give me the love』は、作詞・作曲・編曲を佐伯youthKさんが手掛けた楽曲で、ゴスペルのような雰囲気が印象的です。

入野　佐伯さんはsooogood！さん同様、よく連絡を取っていて、お互いにSilk Sonicが好きなので、その中でも「こんな曲いいよね」とか「じゃあこういうふうにしていこうか」とか、そういうキャッチボールの中で出来上がった曲です。
歌詞が英語多めだったので、これも結構大変でした……実際ネイティブの人に聴いてもらった時にどう聴こえているのかという部分は、アメリカ人の友人に聴いてもらったりしました。

歌詞は “愛” ……それは恋とか恋愛ではなくて、作品愛とか友情とか家族愛とか、すべてのものにおいて愛というものがすごく大事だなと常々思っている、という話をして。それを、彼自身の遊び心ある、でもすごく芯のある言葉選びで書いてくれて、とても最後にふさわしい曲になったと思っています。

（C）Kiramune Project