『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が大切に描く３つの「時間」

11月25日（金）21時から日本テレビ系「金曜ロードショー」にて、2020年公開の劇場アニメ『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』がTV初放送となる。
感情を持たない武器として育てられた少女・ヴァイオレットが、〈自動手記人形〉と呼ばれる手紙の代筆業を通じて成長していく姿が、京都アニメーションの美しい映像で叙情的に描き出される感動作だ。

幼い頃から兵士として戦い、心を育む機会が与えられなかったヴァイオレットは、戦争終結後に〈自動手記人形〉として働き始める。
依頼人たちの “大切な誰かに伝えたい思い” を受け取って手紙にし、少しずつ “人の心” を学んでいくために。そして、大切な上官ギルベルト・ブーゲンビリアが最後に残した「心から、愛してる。」という言葉の意味を知るためにーー。
今回放送となる『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は、2018年にTVシリーズが放送された『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、2019年の劇場版『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝―永遠と自動手記人形―』（以下『外伝』）に続く完結編。
TVシリーズや『外伝』のストーリーの中で少しずつ “愛している” の意味を理解し始めたヴァイオレットの身に訪れる、運命的な出来事を描いている。

戦争終結から数年後、多くの人々の手紙を代筆することで様々な感情を知ったヴァイオレットは、戦場で離ればなれになったギルベルトがまだ生きていると信じており、一途に彼を想いつつも忙しい日々を過ごしていた。
そんなある日、ヴァイオレットのもとにユリスという名の少年から、手紙の代筆依頼の電話がかかってくる。一方、時を同じくして郵便社の倉庫で一通の宛先不明の手紙が見つかって……。

昨年2021年には「金曜ロードショー」でTVシリーズを再構成した『特別編集版』と『外伝』が放送され、2週連続でTwitter世界トレンド第1位を記録するという大きな反響を巻き起こしている。
そして劇場公開時に観客の心に圧倒的な感動を刻み込んだ本作もまた、今回の放送であらためて多くの人の目に触れることでさらに幅広い層に支持されることになるだろう。

なぜ、本作はこれほどまでに感動を引き起こすのだろうか？
そう考えた時に浮かび上がってくるキーワードがーー〈時間〉だ。

（C）暁佳奈・京都アニメーション／ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会