この夏、アニメ『リコリス・リコイル』オープニングテーマ「ALIVE」、アニメ『シャドーハウス 2nd Season』エンディングテーマ「Masquerade」をリリース。8月には2年10カ月ぶりの有観客ライブも成功に終えたClariSが、季節をテ–マにJ–POPの名曲をカバーしたシリーズの第3弾『WINTER TRACKSー冬のうたー』をリリース。T.M.Revolution、中島美嘉、SPEED、辛島美登里の名曲をカバーした他、ClariSが共作で作詞に参加した新曲「スノーライト」を収録。後編は、新曲「スノーライト」と冬のコンサートについて、そして2023年の展望を聞いた。(後編/全2回)
【関連記事】今年の冬は『ClariS』色に染まる!名曲カバーをClariSが語る♪(前編)■北海道の雪景色は天然のイルミネ–ション――そして新曲の「スノーライト」は、ClariSが作詞に参加しています。クララ:冬のコンサートとも連動させた1枚ということで、コンサートの中で皆さんに楽しんでいただけるような楽曲をとの思いで制作させていただきました。最初は作詞をする予定ではなく、作詞家の宮嶋淳子さんに書いていただいたのですが、コンサートで皆さんに届ける上で、私たちの言葉も入れたいと思いご相談させていただき、私たちの歌詞も加えさせていただき、共作で歌詞を作りました。
――歌詞がストーリーっぽくになっているのがポイントですね。カレン:私たちの中では、幼なじみのようにお互いのことを知り尽くした仲のいい関係で、ちょっとずつお互いの好意に気づいているけど、お互いを知りすぎているが故に一歩前に踏み出せずにいる感じが、面白いんじゃないかと。それこそ私たち2人がその男女と同じ関係だったらという妄想をして(笑)。そういう2人のストーリー展開を入れられたら、よりキュンキュンしてもらえるんじゃないかと思って考えました。
――ClariSの2人を男女に置き換えたら、どちらが男性役になるんですか?カレン:私です。もしも自分が男だとして、「クララがしてくれたらうれしいこと」を考えて、ここはこうしたほうがいいんじゃないかと、相談しながら作詞させていただきました。
クララ:以前カレンは「もし男だったら私と付き合いたい」って、言ってくれた。年下ですけどすごくしっかりしていて、すごく頼りになります!
――この曲には、コーラスもすごくたくさん入っています。カレン:全部2人で録りました。ClariSが40人いるくらい(笑)、過去最高にラインが多くて、主メロのレコ―ディングの何倍も時間がかかりました。それくらい壮大さがあって、でも軽やかさも欲しいというこだわりもあったので、時間をかけてレコ―ディングしました。
クララ:録るラインのあまりの多さに、どのメロディがハイなのかミッドなのか、若干混乱した時もありました。いままでのようなキラキラとしたClariSらしさのある楽曲でありながら、コーラスによって重厚感も出せたので、いままでありそうで無かった新しいClariSといった1曲になっています。「冬のClariSの定番曲」と言っていただける曲になればいいなと思って歌いました。
――タイトルの「スノーライト」は、雪の光のような意味ですか?カレン:はい。北海道は街を一歩外れると雪景色が広がっていて、夜は星や月の光がそこに反射してすごくキラキラして、まるで天然のイルミネーションのようにきれいなんです。それに空気中の水分が結晶化するダイヤモンドダストという現象もあって、そういった北海道ならではの景色をぼかしながら入れ込んでいます。人によっては、すごく妄想を搔き立てられるタイトルです。
クララ:そうした私たちが住んでいる北海道も、感じていただけるようにと思って作りました。
■冬のコンサートは殻を破った新たな試みに――そんなClariSの冬のコンサート『ClariS HALL CONCERT 2022~Let's Snow Parade!~』が12月16日、17日に東京ドームシティーホール開催されます。クララ:冬の時期にリリースやコンサート開催をするのは意外と少なくて、冬のコンサートとしては日本武道館公演(2017年2月)以来となります。「Let's Snow Parade!」というタイトルの通り、冬を感じながらショーやパレードのように、皆さんにワクワクしていただける内容をお届けしたいと思っています。
カレン:ライブハウスの時は盛り上がって一体感を感じてもらい、コンサートではストーリー性と共に楽しんでいただくことが割と定番化していたので、その殻を破りたいと思って、いままでのコンサートとは違うコンセプトのコンサートになります。初めて観る方でも楽しんでいただけますし、いままでずっと見守ってきてくださった方には、より新しい一面を感じていただけるものになると思います。ぜひ、楽しみにしていてください。
――今年はリリースやライブ、メディアへの露出も多かった。今年はどんな1年でしたか?クララ:私たちはコロナ禍で10周年を迎え、10周年でやりたいと思っていたことがなかなかできないままでいたのですが、12周年を迎えた今年はそれがやっと動き出せた1年でした。久しぶりの有観客ライブ、テレビに出演させていただく機会も増え、こうして対面でインタビューをさせてもらうことも初めてだったので、本当に初めてのことがいっぱいで。そういう機会をたくさん与えてもらったことへの感謝を実感する1年でした。本当にひとつひとつのことが楽しくて、ワクワクする1年だったので、ここからまた来年に向けてがんばりたいし、ClariSとしてもっとこんなことがやってみたいという思いが膨らんだ1年でもありました。
カレン:皆さんの応援に歌で返したいという気持ちが強く、ライブももちろん大切にしてきた場所ですけど、会いに来られない距離に住んでいらっしゃる方にも私たちの活動をお伝えできる場として、テレビや「THE FIRST TAKE」など、新しい場所が増えたことはすごくうれしかったです。この経験を今年だけで終わらせるのではなく、次につなげられるように努力していきたいです。
■2023年は、やりたいことを全部やりたい!――「THE FIRST TAKE」は、反響が大きかったようですね。クララ:ものすごく緊張しました。「本当に一回だけなんだ!」と思って(笑)。私たちの名前や曲は知っていたけど、「THE FIRST TAKE」で初めて素顔を観たという方も多くいらっしゃって。そんな皆さんの新鮮な反応が込められたコメントを、私たちもすごく楽しく読ませていただきました。
カレン:YouTubeのような、自分の好きなタイミングで観てもらえる媒体で私たちの活動をお伝えできるのは、ミュージックビデオ以外では「THE FIRST TAKE」が初めてだったんです。それもあってか、珍しくクララが緊張していて、それが私には新鮮でした。
クララ:レコ―ディングのような感じで、それを映像に残してみんなに観てもらうというところで、すごく緊張感がありました。本当に2人だけの空間で歌ったのも、いままでには無かった経験でしたから。
カレン:海外からのコメントもすごく多くて、それを観て海外でライブがしたいという思いが高まりましたし、いつもとは違うアレンジで歌わせてもらったので、それもすごく貴重な経験でした。
クララ:アップテンポの「ALIVE」をドラマチックなアレンジで歌わせてもらったのもすごく楽しかったので、今後も既存曲のリアレンジバージョンをお届けできる機会を増やしていけたらと思います。
――では最後に、2023年の展望をお願いします。カレン:やりたいことがたくさんあって(笑)。テレビ出演を機に、家族や親族など一番近くで支えてくれた人に観てもらえて、そういうところで応援してくれる気持ちに応えられた気がしたので、これからもどんどん出られるようにがんばりたいです。コンサートでは自分たちの思いを、より反映させて自発的に自分たちの考えや思いを届けていきたいです。
クララ:今年はたくさん新しいことに挑戦させていただき、私たちの素顔や内面をお伝えできる機会をいただいて。やりたいことも、ClariSとして幅を広げたいことも増えました。ただ一つ心残りなのが『イナズマロック フェス2022』で、私たちの出演日が台風で中止になってしまったことです。来年また機会をいただけるようにがんばりたいです。そして、今作で新しいClariSをお届けできたので、もっと違う新しい扉をどんどん開いていきたいです。やりたいことがありすぎるんですけど、全部やりたいです!