• 吉野裕行が語った「らしさ」が光る2年ぶりの新ミニアルバムの魅力
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2023.04.20

吉野裕行が語った「らしさ」が光る2年ぶりの新ミニアルバムの魅力

5thミニアルバムを4月19日にリリースした吉野裕行さん(C)Kiramune Project


――その次は『まぼろし』。ギターのイントロが素敵な楽曲で、吉野さんも優しい歌い方をされているように感じました。

吉野 僕は年に1回、松野太紀さんが主宰している『タチヨミ』という朗読劇に参加していて、そこで使われている音楽が自分でプレイリストを作って聴いたりするくらい気に入ったりするんです。その中で銀杏BOYZさんの曲がいいなと思って、こういう感じのギターの楽曲をやれたらいいなとお伝えして作ってもらいました。

優しい歌い方に聴こえたのは……リハビリ(レコーディング)開始1曲目だったからじゃないですか?(笑) でももちろん、優しくしたいっていう意図はあったはず。こういうエモい曲というか、自分自身の感情的な部分がしっかり出る曲が好きなんでしょうね。

――4曲目は、kenko-pさん作詞、円山天使さん作曲・編曲の『BANANA』。今作の収録曲では、この曲だけ宮崎さん以外の方が制作された楽曲ですね。

吉野 「『BANANA』の歌詞はどうしましょう?」ということを話し合ったのが、このミニアルバムの作業のスタートでした。
というのも、『BANANA』は『カタシグレ』を作っている時に楽曲ができていたんです。でもこの曲にどんな歌詞が合うのかがなかなか決まらなくて。コンペもしたのですがその時点では結局決まらず、『カタシグレ』に入れられなかったんです。今回、やっとkenko-pさんの歌詞で決まって、入れることができました。

――『サイケデリックアンノウン』は強いメッセージから始まる個性的な楽曲です。

吉野 この曲は「『シャララ』みたいなのをまたやりたいね」という話になって、作ってもらった曲です。セリフの部分の歌詞は自分で書いたほうがいいんじゃないか、と言われたんですけれど、2年も休んでいたから歌いたいことは何もなくて困りました(笑)。

文句すら出てこないから、無理だよ~って言いつつ、試しに頑張って書いてはみたものの、内容がすごく狭い世界すぎて「ちょっと無理だ」みたいな感じになって。結局、誠さんに書いてもらって、プリプロの時に自分の言葉にするためにいくつかフレーズを足した感じです。例えば「人類皆兄弟」は、もともと誠さんが書いたものなんだけど、それに「ってことで痛み分けしようぜ!?」というのは自分で足しました。僕自身がそういうちょっとふざけているというか、面倒くさい言い回しが、たぶん好きなんでしょうね。

今回、いくつかテイクを録ったんですけれど、結局最初に録ったものが採用されました。実は『シャララ』の採用テイクも、プリプロの時のものを使っているんです。
加減が分からないながらもとりあえずやってみたバージョンのほうがしっくりくるんですよね……その時の集中力というか、必死に何かものを言っている感じがよかったりしてね。

――そして最後は『旅立つ君と余花とチェリー』。青春時代の甘酸っぱいような思いが詰まった楽曲です。

吉野 これは「CDの発売時期に合わせて桜ソングを作りたいね」と言って作った曲です。コンセプトというほど大げさなものではないけれど、やっぱりこういうリリース時期に合ったものを1曲くらいはやりたいなって。
別にいつ何を作ってもいいと思うんですが……春に「ウィンターなんとか」みたいな曲だとみんなひくでしょ(笑)。以前『Bye-Bye☆セレモニー』とか卒業ソングは作ったことがあるのですが、今回はもうちょっと桜にフィーチャーしたものを、とお話して作ってもらいました。

実はレコーディング3曲目の『桃源郷』くらいから、息多めで歌うやり方をちょっと勉強し始めたんですよ。いつもだったらもうちょっと濃い成分でぶつけに行くというか頑張っちゃうところを、いかに力を入れず、しかも力強く聴こえるように歌うか、という試行錯誤をしているんです。『チェリー』は後半にレコーティングしたこともあって、ちょっとこなれて楽になってきた感じでした。

(C)Kiramune Project

アニメージュプラス編集部

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