• 水島裕、古谷徹ら豪華キャスト集結『夏への扉』42年ぶりの同窓会イベント
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2023.06.30

水島裕、古谷徹ら豪華キャスト集結『夏への扉』42年ぶりの同窓会イベント

(C)竹宮惠子・東映アニメーション


◆豪華キャスト集合の“同窓会”◆

イベントはモデレーターを務めるアニメーション史研究家・原口正宏さんの作品解説からスタート。本作が生まれた時代背景や歴史的評価、鑑賞する際のポイントなどが簡単に紹介された後、観客席にいた辻さんも急遽登壇し(辻さんの弟子でもある脚本家・金春智子さんも同席)、原作者・竹宮惠子さんとの出会いのエピソードなどを披露。
「(当時は)ちょうど『少女コミック』が新しい少女マンガを模索していた時期で、小学館に行って編集者とよくおしゃべりしていたものでしたから、それがこういう形に実を結んだという気がしました」と作品について抱いた当時の印象も語った。

続いて本編が上映。59分の中編作品ながら、その密度と緊張感は長編映画にも劣らず、強烈な映像世界で観客を惹きつける。
繊細な心象表現、端正なキャラクター芝居、イラストタッチの静止画やスローモーション、ストップモーション、息を飲むような大胆な描写など、多彩な映像で織り上げられた詩的な世界は圧倒的に個性的かつ魅力的。
42年の時を経てもまったく古びることなく、むしろ、その挑戦的な作風は今もなお斬新な輝きを放っており、上映終了とともに会場は大きな拍手に包まれた。

短い休憩を挟んで、いよいよ豪華ゲスト6名によるトークセッションが開始された。
登壇したのは丸山プロデューサーのほか、主人公マリオン役・水島裕さん、ジャック役・古谷徹さん、リンド役・古川登志夫さん、クロード役・三ツ矢雄二さん、そしてレダニア役・潘恵子さん。

古谷さん、古川さん、三ツ矢さんといえば、声優ユニットの先駆けとも言えるバンド「スラップスティック」のメンバーとして旧知の仲。そして水島さんと三ツ矢さんは『六神合体ゴッドマーズ』のマーズ&マーグとして一世を風靡。さらに古谷さん、古川さん、潘さんは『機動戦士ガンダム』のアムロ・カイ・ララァ役……と、例を挙げたら切りがないほどアニメ・声優界の最先端で数え切れない名作を彩り、そして現在もなお第一線で活躍している。これだけのメンバーが勢揃いする機会は、めったにないだろう。
▲古谷徹さん(左)と水島裕さん(右)
▲古川登志夫さん(左)と丸山プロデューサー
▲潘恵子さん(左)と三ツ矢雄二さん(右)

最初の自己紹介で、同性である主人公・マリオンに恋心を抱く少年・クロードを演じた三ツ矢さんが「あの頃と内面は何も変わっておりません。(当時)誰がクロードをキャスティングしたのでしょうか? それが知りたい今日この頃でございます」と発言、場内が笑いに包まれると、それをきっかけに場の空気は一気に和み、自然なムードでトークは展開していくことに。
42年前の作品ということで各自の記憶もおぼろげになっていたものの、潘さんの抜群の記憶力と原口さんが用意した資料によって当時の様子が少しずつ甦り、会場に集まった同世代の観客たちも巻き込み、さながら同窓会のような雰囲気となった。

アニメージュプラス編集部

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