• 『ルパン三世』生誕40周年を祝った大塚康生ほかスタッフの「作品愛」【日曜アニメ劇場】
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2023.07.08

『ルパン三世』生誕40周年を祝った大塚康生ほかスタッフの「作品愛」【日曜アニメ劇場】

原作:モンキー・パンチ(C)TMS


さらに本編を細かく観ていくと、冒頭のフィアット500に乗ったルパン一味と銭形のカーチェイスから始まり、全編を通してアニメ過去作を想起させるシーンが描かれていることに気づかされる。
しかも、あからさまな引用やパロディといった形ではなく、シーン全体の雰囲気がどことなく過去作と重なったり、キャラクターの対峙の仕方や表情、細かいポーズといったさりげない描写を重ねることで、視聴者に思い出の名場面を想起させるという演出が実にスマートだ。

わかりやすい例を挙げるなら、終盤でルパンが魔毛に対して「あるアイテム」を突きつけて交渉する場面。そのルパンの表情やポーズからは、映画『ルパン三世 カリオストロの城』のクライマックスで、ルパンが「指輪の謎を教えてやろう」とカリオストロ伯爵に迫るシーンを彷彿させられるはずだ。
ちなみに本作の制作を担当したのは、その『カリオストロの城』やTVアニメ第2シリーズも手掛けたテレコムアニメーションフィルム。過去作をさりげなく取り込む気の利いたオマージュも、テレコムだからこそ可能だったのかもしれない。

そんな数々のオマージュ的要素の中でも特に注目したいのは、TV第1シリーズや『カリオストロの城』でキャラクターデザイン・作画監督を務めるなど、『ルパン三世』といえば決して欠かすことのできないレジェンド・大塚康生氏の “特別参加” だ。
1995年の劇場版『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』以来12年ぶりに『ルパン三世』に参加することになった大塚氏は、TVSPシリーズに初めて導入されたアイキャッチを担当。「ルパンが車(本作で乗るフィアット500)に飛び乗るも、転げ落ちてズッコケる」という、TV第2シリーズのアイキャッチに目配せした軽妙なアニメーションを見ることができる。

そんな本作の様々なこだわりは、まさしくスタッフの熱い「ルパン愛」の表れと言えるだろう。生誕40周年記念作品ならではの見どころを、ぜひ隅々まで楽しんでもらいたい。

>>>別の形でルパン愛をアピールした新作アニメ『LUPIN ZERO』場面カットを見る(写真18点)

原作:モンキー・パンチ(C)TMS

アニメージュプラス編集部

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