• 「宮﨑駿のミューズ」島本須美の声と演技が魅せる『風の谷のナウシカ』【金ロー】
  • 「宮﨑駿のミューズ」島本須美の声と演技が魅せる『風の谷のナウシカ』【金ロー】
2023.07.06

「宮﨑駿のミューズ」島本須美の声と演技が魅せる『風の谷のナウシカ』【金ロー】

(C)1984 Studio Ghibli・H

スタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』公開を記念して、日本テレビ系〈金曜ロードショー〉にてスタジオジブリ関連作を3週連続放送。
7月7日(金)に放送されるのは、ジブリアニメの原点としてアニメーション映画史に輝く『風の谷のナウシカ』だ。

物語の舞台は、「火の七日間」と呼ばれる最終戦争で文明社会が滅んでから1000年後、人間の命を脅かす「腐海」に覆われつつある世界。小国「風の谷」の姫として平和に暮らしていた少女・ナウシカは、「腐海」の主である「王蟲」をも巻き込んだ大国同士の争いに巻き込まれていく。

1984年公開の本作は、魅力的なキャラクターや躍動感と浮遊感にあふれたアニメーション、胸躍るエンタテインメントに力強いメッセージ、宮﨑駿監督の魅力があますところなく詰め込まれた永遠の名作であり、宮﨑監督にとって唯一無二の “ミューズ” の存在を感じることができる重要作だ。

ミューズとはギリシア神話における文学、学術、音楽、舞踏などを司る女神であり、転じて「詩的霊感」、芸術家にとってのイマジネーションの源泉を意味する言葉として使われている。
また映画においては、特定の監督の作品で鮮烈な印象を残したり、その監督の作品を象徴する存在の女優を指すこともある。例えば、ジャン=リュック・ゴダールにとってのアンナ・カリーナ、伊丹十三にとっての宮本信子などがそれに当たるだろう。
そして宮﨑監督にとってのミューズといえば――多くの人が本作でナウシカ役を演じた声優・島本須美を思い浮かべるのではないだろうか。

島本が初めて宮﨑作品に出演したのは、1979年の『ルパン三世 カリオストロの城』でのヒロイン・クラリス役。当時まだほぼ無名の新人だった島本の抜擢にあたっては、宮﨑監督と作画監督・大塚康生の強い推薦があったそうだ。

「クラリスの島本須美さんに関しては、大塚、宮崎両氏からの強力な推センによるもの(中略)両者が『赤毛のアンで最後まで山田栄子さんときそった人で、非常に新鮮だった』から印象に強く残っていたというもの」(アニメージュ1980年1月号、録音監督・加藤敏のコメント/表記は掲載時ママ)

結果、島本演じるクラリスの可憐さは、数々の名セリフと共に今なお多くの人の心に強烈に刻まれる。さらに続く1980年、宮﨑監督が脚本・演出をてがけた(名義は照樹務)『ルパン三世(TV第2シリーズ)』最終話「さらば愛しきルパンよ」のゲストヒロイン・小山田真希役も島本が担当。こちらも1話限りのゲスト登場ながら、視聴者に強烈な印象を残した。

(C)1984 Studio Ghibli・H

アニメージュプラス編集部

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