• 【本日21時よりニコ生配信】『時をかける少女』に細田守が刻んだ「夏の記憶」
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2023.08.12

【本日21時よりニコ生配信】『時をかける少女』に細田守が刻んだ「夏の記憶」

(C)「時をかける少女」製作委員会2006


●少女が時をかける “夏”●

そんな真琴の快活なキャラクターをより印象深いものにしているのが、物語の背景となる夏の季節だ。
本作のキービジュアルには、青い空と入道雲をバックに軽やかに跳ぶ真琴の姿が描かれている。このビジュアルの印象の強さから「『時をかける少女』といえば “夏”」というイメージを持っている人も少なくないのではないだろうか。
あらためて振り返ると原作を含めた他の『時をかける少女』は夏の物語ではない。むしろ、『時をかける少女』と “夏” を出会わせたことこそが、細田監督の大いなる発明だった、と言えるのではないだろうか。

タイムリープを繰り返すことで、いつまでも終わらない楽しい時間を満喫する真琴。でも、終わらないと思っていた時間にもいつか終わりはやってくるーー彼女が作中で過ごす時間は、いわば「夏休み」、そして「青春」そのものとして捉えることもできる。
眩しくて、熱くて、楽しくて、永遠に終わってほしくない特別な時間。しかしそのただ中にいる間、人は誰もその大切さに気付くことはなく、過ぎ去った後に振り返り、切なさと愛おしさを胸に抱きながら成長していくのだ。
きっと多くの人が夏休みを、そして年齢を重ねた人なら青春という人生の季節を、そんな風に記憶しているのではないだろうか。

細田版『時をかける少女』が描いているのはそんな “夏の記憶” であり、だからこそみんなの胸に残る1作として記憶され続けていくのだろう。

(C)「時をかける少女」製作委員会2006

アニメージュプラス編集部

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