• 【BLUE ENCOUNT】『MIX』のOP曲「アマリリス」は世代を超える
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2023.09.16

【BLUE ENCOUNT】『MIX』のOP曲「アマリリス」は世代を超える

【BLUE ENCOUNT】『MIX』のOP曲「アマリリス」は世代を超える


■「アマリリス」とタイトルを付けるにあたって注視したのは花言葉の多さ

――『MIX』は高校野球が題材になっているので、ホームランのようなスカッとした爽快な曲になるのかと思いきや、キュッと胸を締め付けるような切なさもあって、そこは『タッチ』から連なる伏線もしっかりと感じさせます。

田邊:それにちょうど僕らが担当しているシーズンは、悲しいことが起きてしまいます。そのことが分かっていたので、明るすぎる曲ではないなと思っていました。だからといって、誰かがいなくなることの悲しみを歌うのは違う。そこで、人生に不安や喪失は隣り合わせにあるもので、もし僕の大切に思っている人が喪失を経験した時、僕はその人の肩をどうやって抱けばいいのかなって。そういうところから作り始めたので、『MIX』のストーリーもありましたけど、それ以上に自分の仲間に向けた愛とか絆みたいな部分に重きを置いて筆を進めました。

――タイトルの「アマリリス」は、ヒガンバナ科に属する花だそうで、そこもいろいろ考えてしまいました。

田邊:確かにそう思う方もいらっしゃるでしょうけど、僕が「アマリリス」とタイトルを付けるにあたって注視したのは花言葉の多さです。「アマリリス」には「おしゃべり」とか「内気」とか意味も様々な、本当にたくさんの花言葉があって、一つの花に対してこんなにもいろんな意味があるのは面白いと思いました。そもそもこの曲は、自分の大切な者への思いを書きましたけど、聴いた人によっては恋人や友達だったり家族など、広くいろんな相手を想像して聴いてもらえるだろうと思っていて。そう思った時に、いろんな意味を持った「アマリリス」という花の名前が、曲の屋号として相応しいのではないかと。

――その「アマリリス」というタイトルから様々なものを想像した上で聴くと、イントロのキラキラとしたギターが、よりギュッと胸を摑みます。

江口:あのキラキラした音色は、12弦ギターと普通の6弦ギターを重ねて作っていて。12弦ギターは、プロデューサーさんが長年使っている私物で。

田邊:2月にリリースした6曲入りEP「Journey through the new door」に収録した「DOOR」という曲の最後の一音に、スパイスとしてその12弦ギターを使ったところ、とてもいい味を出してくれて。今回もそのスパイスとしての力を信じて使った結果、とても功を奏した感じです。

――使っているのはイントロだけですか?

江口:イントロとアウトロです。うっすらとしか音を出していないのですが、それが他の音と混ざることによって、特有のキラッとした音になるんです。それでいながら切なさも上手く表現できる、絶妙さがある楽器ですね。

田邊:そういった飛び道具がハマる楽曲は、いつもシンプルな構成の音像の時です。今回の音像も最初はストリングスを入れようと思って構築していたのですが、最初にバンドのオケだけを録った時に「もうこれだけでいいじゃん!」となって、最後に12弦で味付けをした流れです。

――バンドの音以外は入っていない。

高村:12弦と鐘の音くらいです。

田邊:音像を広げるためのスパイスだけです。なので、いつものような機械音とかストリングスは一切入っていません。

ライター:榑林史章、編集:アニメージュプラス

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