• 畠中祐・小林啓也が明かす『シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ』で伝えたいこと
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2023.10.26

畠中祐・小林啓也が明かす『シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ』で伝えたいこと

(右から)Wキャストで『シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ』の主演を務める畠中祐さん、小林啓也さん 撮影/大山雅夫


【歌とダンスだから伝えられるもの】

──舞台やミュージカルの魅力を挙げるとしたらどこでしょうか?

小林 僕は昔からアニメが大好きで、実は声優になりたくて最初は声優養成所に入ったんですよ。そこから自分が出て演じるほうがいいなと思い、紆余曲折を経て音楽座ミュージカルに所属したんです。

畠中 じゃあ、最初は舞台をやりたかった俺とは逆だったんですね。

小林 えっ、そうなんですか?

畠中 両親が舞台役者だったから舞台に憧れていたんですが、小学生の頃は太っていて。「まずは役の幅が狭まらないところで芝居をやったら?」と親からアドバイスをもらい、声優のオーディションを受けたんです。それがようやくここで舞台とクロスしたというか(笑)。

小林 面白いですね(笑)。アニメと舞台で芝居の面白さに違いはないと思うんですが、強いて独自の魅力を挙げるなら、言葉にならないものを表現できることと、肌感覚でほかの演者やお客さんの存在を感じられること。ミュージカルでは歌やダンスが、言葉で伝えられない気持ちの表現の助けになってくれるんです。
▲『シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ』大阪公演の舞台より

そして、皆さんにわざわざ足を運ぶ労力を割いていただく分、僕らも全力で演じるから、劇場全体がエネルギーに満ちた空間になるんですよね。ぜひこの機会に舞台の世界を知ってほしいし、劇場の熱気を味わいに来てほしいです。

畠中 舞台は一度幕が開いたら、閉幕までは役者のものという気がするんです。アニメなどは監督や音響監督といったスタッフさんのもので、声優の芝居はその一部という意識があって。僕らがいい芝居をしたと思っても、リテイクが出たらその場で変えなければいけないんです。でも、舞台は幕が開いたら、どんなに面白くなかったとしても止められない、板の上に立った演者がやるしかない。

小林 そうですね、全部演じ手の責任になる(笑)。

畠中 逆に言えば、失敗も何もかも演者のものだという気がするんです。お客さんにどう受け取ってもらえるかという緊張感がずっと続くし、何度も同じ演目をやって、同じ芝居を見せる“奇跡”を起こせるかどうかのギリギリの戦いをする。そういうナマモノとしての面白さが、舞台の魅力だと思います。
▲『シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ』大阪公演の舞台より

そして、言葉にすると小っ恥ずかしいことでも、歌にして言えることが、ミュージカルの面白さじゃないかなと。まだミュージカルに抵抗がある人って、少なくないと思うんです。「なんでコイツら急に歌い出すんだ」と感じちゃって。

小林 僕も最初はそうでしたよ(笑)。「歌わなくてもいいじゃん」って思っていました。

畠中 そうですよね。音楽座ミュージカルが創立した頃は、役者もお客さんもそう考える人が今よりも多かったはずで。そんな状況で生まれた作品だからこそ、歌う必然性みたいなものを作っていたと思うんです。小っ恥ずかしい気持ちを歌に乗せたり、「なんか歌いたくなっちゃった」ってくらい開き直ったりして。だからこそ、歌うことで物語がよりドラマチックになる。そこが魅力だと今回参加したことで実感しました。ずっと親父(畠中洋さん)からガミガミ言われていたこともわかりましたし(笑)。

小林 そうなんですか?

畠中 普通に歌っているだけでも、「歌はセリフだからそんな風に歌うな」と怒られていました(苦笑)。
それに舞台は誰も泣いていないところで涙が止まらなくなるとか、周りの人との反応の違いを感じる面白さがあると思うんです。そんな体験ができる作品になるよう稽古に励んでいるので、ぜひ体験型のアトラクションに足を運ぶような気持ちで観に来てほしいですね。

畠中 祐(はたなか たすく/右)
8月17日生まれ。神奈川県出身。賢プロダクション所属。最近の出演作は『オーバーテイク!』(小牧錮太郎)、『アンダーニンジャ』(日比奇跡)ほか

小林啓也(こばやし けいや/左)
4月4日生まれ。東京都出身。音楽座ミュージカル所属。最近の出演作は『ラブ・レター』(サトシ)、『泣かないで』(長島繁男)ほか

畠中祐&小林啓也 撮影/大山雅夫

>>>畠中祐さん・小林啓也さん撮りおろしカット&大阪公演の舞台の様子を見る(写真12点)

アニメージュプラス編集部

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