• 【ネタバレ】『映画すみっコぐらし』監督が語る『ツギハギ工場のふしぎなコ』こだわりの裏側
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2023.11.11

【ネタバレ】『映画すみっコぐらし』監督が語る『ツギハギ工場のふしぎなコ』こだわりの裏側

(C)2023 日本すみっコぐらし協会映画部


――今回のエピソードで、例えば作田監督自身のおもちゃへの思いを込めた部分などはありますでしょうか。

作田 そうですね……改めて考えてみると、とかげが怪獣のぬいぐるみを持って遊ぶところがあるんですけれど、ああいう怪獣ごっこ的な遊びって子供の頃一つ上の兄とよくやっていたんですね。あのシーンのコンテを描いている時、兄が怪獣のおもちゃを持って無言で迫って来て何となく怖い気分になったことを思い出しました(笑)。

――しろくまが故郷に置いてきたおもちゃに懐かしさを感じるところは、大人も共感できるところがありますよね。

作田 そうですよね。古いおもちゃも大切にしてもらいたい、という思いもテーマとして入っていますので、大人の方にもそういう思いが伝わってもらえると嬉しいですね。

――先ほど、キャラクター表現に大きな制約があるというお話をされていましたが、それを踏まえて工夫された部分などはありますか。

作田 工夫というのも何なんですが、本作は音楽が占める割合が大きい作品なんです。喋らないし表情もそんなに豊かには変わらないすみっコたちの感情を音楽が表しているところが多く、そこは音楽プロデューサーの千田耕平さんの手腕を期待して演出している部分もあります。

――言われてみれば、ほぼ全編音楽が流れ続けていますね。

作田 そうなんです、1時間ちょっとの本編なんですが、(サウンドトラックを)30曲ぐらい作ったそうで、なかなかな数だと思います。自分としては、しろくまが工場にぬいぐるみを見せるクライマックスの音楽の入り方にこだわって、そこは結構上手くいったんじゃないかと思っています。

――工場がすみっコたちを追いかけるシーンも、実にカッコいいサウンドが流れて印象に残りました。

作田 あそこは絶対に入れたかったシーンだったんですよ。すみっコの世界ではあまり派手なアクションみたいなものはないんですが、工場のキャラクターを見た時「これはすみっコたちと追いかけっこをさせなくちゃ!」とすぐ閃いたんです。

――ナレーションを担当される、本上まなみさんとのやり取りはいかがでしたか。

作田 今回はお一人でやられることになったので、電光掲示板の声も、すみっコに寄り添うナレーションも、すべて演じ分けないといけないわけですが、その辺りの雰囲気に関しては収録を進めながら作っていったところがあるんですね。まずは本上さんにお任せして、そこからいろいろと選んでいった感じですが、最終的にはいい感じにまとまったと思います。
ちなみに、今回映画とは別にテレビ版アニメもあるんですが……。

――『アニメ すみっコぐらし そらいろのまいにち』ですね。

作田 あちらは絵本が原作ということもあって、本上さんのナレーションも絵本の朗読みたいなんですよね。あの本上さんの読み方が僕は大好きなんですよ。映画だと工場の回想シーンのナレーションがそれに近いと思いますが、機会があればもっとああいう語りを活かせる作品も作ってみたいなと思いました。

――では最後に、作田監督が選んだ本作の推しポイントをお教えください。

作田 すみっコぐらしのキャラクターは、みんな同じ「引っ込み思案」とくくられがちですが、その引っ込み思案ぶりにもそれぞれ個性があるわけです。その辺りを意識的に描いていますので、そういうところを観ていただいてキャラクター萌えをしてもらえると嬉しいです(笑)。

――確かにキャラクターグッズなどでしか、すみっコたちのことを知らない人も多いと思います。

作田 イラストだけでも可愛いですが、是非この作品を観ていただいて、あなたの「推しすみっコ」を見つけてほしいと思います!


>>>おもちゃ工場で働くすみっコたちにキュン♪『ツギハギ工場のふしぎなコ』場面カットを見る(写真15点)

(C)2023 日本すみっコぐらし協会映画部

アニメージュプラス編集部

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