• 【第2回新潟国際アニメーション映画祭】新作から名作まで注目の上映作品はこれだ!
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2024.03.08

【第2回新潟国際アニメーション映画祭】新作から名作まで注目の上映作品はこれだ!

ジェレミー・ぺラン監督『マーズ・エクスプレス』(2023)はバンド・デシネのテイストで描かれるSFアニメの注目作

いよいよ3月15日より開催される「第2回新潟国際アニメーション映画祭」。世界初の長編アニメーションを中心とした多岐にわたるプログラム、そしてアジア最大のアニメーション映画祭として国内外で大きな注目を浴びている。
今年は長編コンペティション審査員長に世界的アニメーションスタジオ・カートゥーン・サルーンのノラ・トゥーミー氏を迎え、レトロスペクティブ部門では長編アニメーション映画全作品ラインナップの高畑勲特集、そしてイベント上映では湯浅政明監督の貴重な短編の特集上映、『機動戦士ガンダム』シリーズの富野由悠季監督の来場も決定している。
待望の開催が近づく中、プログラム・ディレクターを務める数土直志さんに、本映画祭の大きな見どころについてお話をうかがった。

――昨年から始まりました「新潟国際アニメーション映画祭」ですが、第1回の全体的な印象はいかがでしたか。

数土 本当にたくさんの方々に協力して頂いたおかげで、各所で話題として取り上げて頂いたり、プログラムについても「面白いものが観られた」という評価を頂けたことが本当にありがたかったです。

――それを踏まえて、今回どのような取り組みをされていらっしゃいますか。

数土 前回の延長線上ではありますが、やはり作品の幅を広げていこうという意識があります。あと「コンペティション」「世界の潮流」では日本の作品を増やしまして、オープニング作品は塚原重義監督『クラメルカガリ』のワールドプレミアも決定しました。
▲オープニング上映『クラメルカガリ』(C)塚原重義/クラガリ映畫協會

今回「コンペティション」で上映する作品は、僕の方から映像と技術の優れた作品であること、長編作品でストーリーが優れたもの、多様性を重視してほしいという3点を要望として出した上で選考委員の方々に協議していただいて決定したのですが、結構攻めたラインナップになっていて、僕としてはもう大満足! 自分だけニコニコしていてはいけないんですけれど(笑)。

――昨年、審査委員長を務めた押井守監督にお話をうかがった際は「海外の長編アニメ作品を探すのは大変なんだ」ということだったのですが、その辺りのご苦労は?

数土 確かにそう言える部分もあります。例えば東南アジア地域で探した場合、やはり年に1~2作(新作が)できればという感じなので、そこから優秀作を選ぶとなるとどうしてもハードルが高くなってしまうので。
ただ世界全体で見れば状況はかなり変わってきて、海外の長編アニメ作品の制作は確実に増えてきていますので、今後そういう状況は好転していくと考えています。

――ラインナップに大満足とのことですが、中でも数土さんのお薦めタイトルは何でしょうか。

数土 どれも素晴らしいので、私個人の好みで挙げさせてください。まずは世界的な話題作でもあるジェレミー・ぺラン監督の『マーズ・エクスプレス』(フランス・2023)。これは近未来を舞台にしたSF作品で、バンド・デシネ(フランス語圏のコミック)的な映像もオシャレで、日本のアニメファンにも刺さるんじゃないでしょうか。(記事メイン写真:3月17日・3月20日/新潟市民プラザホール)

あとはイザベル・エルゲラ監督の『スルタナの夢』(スペイン・2023)。1905年にインドで書かれた女性が支配する世界を描いたSF小説を読んだ女性が自分を発見する旅に出る話で、ジェンダーを扱ったテーマ性やストーリーは勿論のこと、絵が本当に素晴らしいんですよ。これは本当にお薦めしたいですね。
▲『スルタナの夢』(3月16日/だいしほくえつホール、3月18日/新潟市民プラザホール)

――イベント上映での注目作は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988)でしょうか。富野由悠季監督と出渕裕さんのトークショーは大きな目玉となりそうですね(3月16日/新潟市民プラザホール)。
▲富野由悠季監督(左)と上映作『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』 (C)創通・サンライズ

数土 ガンダムはいわゆるフランチャイズアニメであるわけですが、その中でとてつもない作家性を発揮してきたのが富野由悠季という存在です。中でも『逆襲のシャア』はそれが際立っていますので、この異能ぶりは絶対に取り上げるべきだと考えました。

アニメージュプラス編集部

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