• 【第2回新潟国際アニメーション映画祭】新作から名作まで注目の上映作品はこれだ!
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2024.03.08

【第2回新潟国際アニメーション映画祭】新作から名作まで注目の上映作品はこれだ!

ジェレミー・ぺラン監督『マーズ・エクスプレス』(2023)はバンド・デシネのテイストで描かれるSFアニメの注目作


――湯浅政明監督の短編作品を集めた企画も気になります(3月16日/日報ホール)。

数土 湯浅さんは今や世界的なアニメ作家ですから、日本でやる映画祭ならば何らかの企画を立ち上げたいと思っていたんです。映画祭の主旨に合わせるならば長編作品なのですが、長編をまとめたプログラムは他の映画祭やイベントなどでもすでにあります。
なので、ここはあえて短編に絞って「アニメーションの動きの楽しさ」を追求してみようかと。湯浅さんにも、そのテーマでトークを展開していただく予定です。

――アニメ作家の作品を掘り下げる「レトロスペクティブ」では、高畑勲監督を取り上げますね。
▲高畑勲監督

数土 先日放送された『プロフェッショナル 仕事の流儀~ジブリと宮﨑駿の2399日』で、『君たちはどう生きるか』に高畑監督の影響がどれほどのものだったかが明らかにされたことで、まさに絶妙のタイミングでの特集となりました。

――今回高畑監督を選ばれた理由は、どういうところから?

数土 前回の大友克洋さんと高畑監督は、僕の中では二人でセットみたいな印象があるんですよ。日本のアニメが海外で高く評価されるのは二つの潮流があると思っていまして、まずは大友さんの作品に代表される尖ったセンスとハイエンドな作画を追求した路線です。そしてもう1つはスタジオジブリに代表される、丁寧で良質などんな世代も観るアニメーション。その原点にある高畑監督。たとえば宮﨑駿監督もその先輩である高畑監督に大きな影響を受けているわけです。そういう意味からも、高畑監督に注目するのはごく自然な成り行きでした。

――こちらのラインナップは、テレビ作品が入っているところも素晴らしいですね。
▲『母をたずねて三千里』(1976)は第1・2話を上映(3月17日・3月18日/シネウィンド) (C)NIPPON ANIMATION CO., LTD.

数土 「映画」祭ではあるのですが、高畑監督のキャリアを振り返る上で「世界名作劇場」ほかテレビ作品は大きい位置を占めるので、これは欠かせないなと。

――そして、オールナイト企画のテーマは「時代劇」(3月19日/シネウィンド)。こちらのラインナップも、なかなか攻めたセレクトだと思ったのですが。

数土 あ、これはもう僕の趣味です(笑)。ボンズの作品が大好きで、中でも『ストレンヂア ―無皇刃譚-』(安藤真裕監督・2007)がお気に入りなんですが、これを柱に何か企画ができないかな、と考えまして。
▲『ストレンヂア ―無皇刃譚-』 (C)BONES/ストレンヂア製作委員会2007

トークゲストに會川昇さんと虚淵玄さんをお招きするんですが、會川さんから「『少年猿飛佐助』(薮下泰司監督・1959)はどうでしょうか?」と提案があったんですね。
そこで劇場アニメの『ストレンヂア』、テレビの『機巧奇傳ヒヲウ戦記』(アミノテツロ監督・2000)、OVAの『劇場版 戦国奇譚妖刀伝』(山崎理監督・1989)、そして東映動画(現・東映アニメーション)の『少年猿飛佐助』へ、という感じで時代劇アニメの系譜を遡っていく流れを組んでみました。

――様々な角度からアニメーションの魅力を味わえる機会になりそうです。

数土 アニメーションという括りの中で、ここまで多彩な作品が生まれてきていることを知ってもらえると嬉しいですね。特に海外作品は本当に観られる機会が限られていて、まだ日本配給が決まっていない作品がたくさんあるんですよ。是非関係者の皆さんも足を運んでいただいて、今後のラインナップの参考にしてもらえるとありがたいです。
そして上映の合間には、新潟の街もゆっくり楽しんでほしいですね。各会場がバラバラになっているので、散歩気分で歩き回ったり、地元のグルメを楽しんで頂いたり……それも地方の映画祭ならではの楽しみ方だと思いますので。

>>>国とジャンルを超えた多彩な上映作品のラインナップをチェック!(写真33点)

アニメージュプラス編集部

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