• キャストとともに作り上げた『デカレンジャー20th』 塚田英明プロデューサーが語る制作秘話
  • キャストとともに作り上げた『デカレンジャー20th』 塚田英明プロデューサーが語る制作秘話
2024.06.16

キャストとともに作り上げた『デカレンジャー20th』 塚田英明プロデューサーが語る制作秘話

(C)2024 東映ビデオ・東映AG ・バンダイ・東映 (C)東映

2004年2月から翌年2月まで放送された、「スーパー戦隊シリーズ」第28作『特捜戦隊デカレンジャー』(以下、デカレン)。その20周年を記念した新作『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』が現在、期間限定上映中だ。

地球署で共に戦った6人に、バンこと赤座伴番が所属するファイヤー・スクワッドの新人・江戸川塁を加えたデカレンジャーが、銀河の麻薬王が遺した大いなる計画の謎に挑戦する今作。宇宙から高知県まで駆け回る6人の姿には、20年前と変わらない彼らの熱さを感じることができるはずだ。

TVシリーズから『デカレン』のチーフプロデューサーとして携わってきた塚田英明さんに、制作の裏側から作品に込めたこだわりまでお話しいただいた。

>>>『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』の場面カットを見る(写真16点)

◆変わらなさを意識した20年目のデカレンジャー◆

――制作の経緯をお聞かせください。

塚田 10周年企画の一発目だった『忍風戦隊ハリケンジャー 10 YEARS AFTER』から、出演者がプロデューサーに働きかけて作り出す、という感じで。『特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER』(以下、デカレン10YA)同様、今回もキャスト側から声を上げてくれると作りやすいな、と思っていたんです。そうしたら、『デカレン』の企画担当みたいな伊藤陽佑くん(江成仙一/デカグリーン役)と、菊地美香ちゃん(胡堂小梅/デカピンク役)、吉田友一くん(姶良鉄幹/デカブレイク役)夫婦の3人がアプローチしてきてくれて、「じゃあ、やろうか」となりました。菊地・吉田夫婦から、二人が今在住している高知県で撮影しようと提案されて。最初は「無茶言うな」と思いましたが(笑)、『忍風戦隊ハリケンジャーでござる! シュシュッと20th anniversary』(以下、ハリケン20th)と同じく、京都撮影所をベースに制作すればロケバスで行き来ができるということで、高知ロケが実現しました。

――『デカレン10YA』制作当時と違い、塚田さんが現在は現場から離れている分、苦労されたこともあったんじゃないかと。

塚田 そうなんですよね(笑)。一緒にプロデューサーをやっている土田真通くんに全部任せるのも可能なんですけど、『デカレン』をやるからにはガッツリ関わりたいと思い、部長の仕事をしつつ携わりました。高知県もシナハン(シナリオハンティング)には行ったんですが、撮影のときは行けずで。「もっとどっぷり浸かれたらいいな」と思いながら、主要なところには関わっていました。



――今作の監督は渡辺勝也さん、アクション監督とデカレッドのスーツアクターは福沢博文さんが担当されています。

塚田 『デカレン』を最初に撮ってくれた渡辺監督と、また一緒に『デカレン』をやりたくて今回オファーしました。渡辺監督が撮った『ハリケン20th』の仕上げの後、二人で高田馬場の焼き鳥屋で、「『デカレン』もやりたいんです」とお願いしました(笑)。福沢さんはスーパー戦隊シリーズでレッドを演じることが多かったんですが、その後はアクション監督になり、僕も『魔進戦隊キラメイジャー』をやってもらっていて。その福沢さんにアクション監督として、『デカレン』をやっていただくことは理想でしたね。ちょうど戦隊のアクション監督をやっていなくて、今携わっている『仮面ライダーガッチャード』が入る前だったので、チャンスだと思いお願いしました。『ガッチャード』の湊陽祐プロデューサーにも、「その前に『デカレン』だけやらせてよ」と話して(笑)。

――ストーリーは地球署の面々が変わってしまった、という話だった『デカレン10YA』と比べると、TVシリーズの『デカレン』らしさが増している印象を受けました。

塚田 今回は「変わっていないね」という部分は少し意識していました。その中で事件ものとしてどう作りこむか、ドラマで20年の月日をどう感じさせるかを考えていきました。結構難航しつつも、バン(赤座伴番)のキャラの立たせ方を含めて画竜点睛じゃないですが、「最後にバシッと決まった」と思うような脚本づくりだった印象があります。10周年のときは伊藤くんが顔を出していたんですが、今回は美香ちゃん、友一くんを加えた3人がガッツリ脚本の打ち合わせに参加していて。キャストが脚本にここまでタッチしたのは初めてで、3人とも「こんなに大変なんですね」と言っていましたね(笑)。

――『デカレン10YA』以上に、キャストの皆さんが深く関わっていたんですね。

塚田 そうですね。特に友一くんは今働いている高知の市役所を巻き込んで、クラウドファンディングの提案をしたり、「高知でこんなことができますよ」と、ロケ誘致みたいなことをしてくれたり、すごく積極的に動いてくれました。テツっぽいと言うとあれですが、友一くんは独特の感性、独特の頑張りを見せる天才性を持っているんです。今回は彼のすごさを改めて感じました。10周年のとき以上に、キャストと一緒に作った感がありましたね。



(C)2024 東映ビデオ・東映AG ・バンダイ・東映 (C)東映

アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事