• 『マジンガーZ』だったから面白い…『前田建設ファンタジー営業部』脚本・上田誠インタビュー
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2020.01.30

『マジンガーZ』だったから面白い…『前田建設ファンタジー営業部』脚本・上田誠インタビュー

『前田建設ファンタジー営業部』より。(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

「『マジンガーZ』には全ての原型があって、
プリミティブなカッコ良さがあるから成立した映画」
『前田建設ファンタジー営業部』脚本・上田誠さんインタビュー

『マジンガーZ』の地下格納庫兼プールを「現在の技術および材料で建設して欲しい」という架空の発注を、限りなく現実的に実現させようと走り回る前田建設ファンタジー営業部の奮闘……。
実際に前田建設が自社のHPで立ち上げた企画が書籍化され話題を呼び、なんと劇場映画にまでなってしまった! このマニア心をくすぐる不思議な映画の脚本を手掛けた上田誠に話を聞いてきた。

<上田 誠Makoto Ueda>
1979年京都府生まれ。1998年に劇団・ヨーロッパ企画を旗揚げし、全ての公演の脚本、演出を担当。2017年に舞台「来てけつかるべき新世界」で第61回岸田國士戯曲賞を受賞。『サマータイムマシン・ブルース』(05)、『曲がれ!スプーン』(09)、『夜は短し歩けよ乙女』(17)、『ペンギン・ハイウェイ』(18)などの脚本を担当。2013年に舞台版『前田建設ファンタジー営業部』の脚本・演出を手掛けている。
▲冷静な若手社員のドイを演じる高杉真宙。

◆ホントに出来んのかなと (笑)

——そもそも前田建設のHPで展開された企画の書籍が、上田さん主催のヨーロッパ企画で舞台化されたのはどういう経緯なんですか?

上田 元々、本は読んではいたんですよ。それで、ディー・バイ・エル・クリエイションという技術系のエンターテイメント系の会社が モーション・キャプター・スーツみたいなものを開発していて、 体に付けて動いたら3Dキャラクターがリアルに動く技術なんですが、それを使って舞台をやりたいというお誘いがあったんです。その時に『前田建設ファンタジー営業部』を原作にしてやれないかという話をいただいたんです。なので引き合わせは本当に偶然でした。その舞台を映画のプロデューサーが観に来てて、映画の脚本も依頼されたという経緯です。

——映画の話が来たときはどう思われました?

上田 いや〜、出来たら面白いともちろん思ったし、受けましたけど、ホントに出来んのかなとも思ってました(笑)。企画がどうというだけじゃなくて、映画って本当に実現するかどうか分からない世界ですから。

——永井豪作品には触れてこられたんですか?

上田 正直、元々はそんなにあまり読んでないんです。もちろん人並みに過去作品やアニメは目にしてきましたが、通ってきたとは言えません。

——マンガやアニメ自体はお好きなんですか?

上田 好きですけど、何て言うんだろう、ソフトなものが好きなんです。例えば『ドラえもん』とか。藤子不二雄は好きです。子供の頃から、人が戦い出すと僕もうダメで。ロボットや戦隊とか、格闘マンガとかって全然見なかったんです。だから、戦わないものしか実は触れてきてません(笑)。

——戦うもの系が苦手だったのには理由があるんですか?

上田 何でなんでしょうねぇ(笑)。喧嘩しようとか全然思ったことなくて。『ドラゴンボール』も戦いがメインになって読まなくなったりとか。
なにか、人と地形が絡むのが好きなんですよ(笑)。『天空の城ラピュタ』とか『スーパーマリオ』とか、そういうものがすごくグッと来ます。

文/今秀生

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