• 『マジンガーZ』だったから面白い…『前田建設ファンタジー営業部』脚本・上田誠インタビュー
  • 『マジンガーZ』だったから面白い…『前田建設ファンタジー営業部』脚本・上田誠インタビュー
2020.01.30

『マジンガーZ』だったから面白い…『前田建設ファンタジー営業部』脚本・上田誠インタビュー

『前田建設ファンタジー営業部』より。(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション



◆『マジンガーZ』のあの機構はワクワクする

——『マジンガーZ』のアニメを本家の東映アニメーションが作ったり、永井豪先生が特別出演されたり、豪華な映画になってました。

上田 嬉しかったです。そもそも前田建設の方々が始めて、書籍になって、舞台になって、映画になってという奇跡の中で、僕はひとりのリレーヤーという意識なんです。プロジェクトに関わった人たちの情熱が連綿と受け継がれて行った結果ですよね。実際、結構長い道のりだったと思います。

——出来上がった映画を観て、どんな風に思われましたか?

上田 僕は監督に寄り添って書くんですよ。監督のイメージを聞いて、撮りたい画に向かって書く。監督が脚本変えても、僕はもう全然それで良いという気持ちなんで、だから映画が出来て、監督はこういうことを言ってたのかとか、なるほど監督のイメージはこうだったのかって思う事が多いのですが、今回はいい方向にぴたっとハマった感じ。かなり、いい映画になったと思います。

——映画を楽しみにしている永井豪ファンも多いと思いますが、そういうファンにはどこを楽しんで欲しいですか。

上田 舞台化の時にちゃんとアニメの『マジンガーZ』全92話をDVDで観たんですよ。一部早送りはしましたけど(笑)。今回は『マジンガーZ』と『前田建設ファンタジー営業部』と原作が二つあるようなものなのでかなり調べ込みました。

『マジンガーZ』を観て、先ほども言いましたけど戦いの場面は正直あんまりワクワクしなかったんですが(笑)、やはり機構とか仕掛けにはすごく興味があって、プールが割れてせり上がってくる、あの機構はワクワクするんですね。僕的には『マジンガーZ』との接点として、あの格納庫の装置を面白がるっていうのが、これ以上ない入口だった感じがします。

昔のアニメだし、巨大ロボットの第1作じゃないですか。設定が緻密に作られていると言いながら手探りな感じではありますけど、全ての原型がここにあって面白いですよね。わざわざプール割れて出てくる必要も無いし、プールの底がV字になってるのも必要もないですけど、やっぱカッコ良さを優先させた非合理性も含めて、プリミティブな良さが『マジンガーZ』にあると思います。だからこれは『マジンガーZ』だったから面白いんですよね。他の作品だったら作り甲斐がなかったかもしれません。夢とロマンと奔放な想像力で作られたものを、いま現在の建築、建設の観点から検証する面白さをとにかく楽しんでいただきたいと思います。
『前田建設ファンタジー営業部』より。掘削オタクのヤマダ役を演じる町田啓太。

インタビュー写真撮影/松山勇樹

<作品概要>
『前田建設ファンタジー営業部』
2020年1月31日(金) 新宿バルト9、イオンシネマほか全国公開

出演:高杉真宙 上地雄輔 岸井ゆきの 本多力 / 町田啓太 六角精児 / 小木博明(おぎやはぎ)

監督:英勉/脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)/原作:前田建設工業株式会社 『前田建設ファンタジー営業部1 「マジンガーZ」地下格納庫編』(幻冬舎文庫) 永井豪『マジンガーZ』


主題歌:氣志團「今日から俺たちは!!」(影別苦須 虎津苦須)/配給:バンダイナムコアーツ 東京テアトル 


★公式サイト

(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

文/今秀生

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事