• 佐藤ミキ『名もない花』インタビュー デビューまでの多彩な道のり
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2020.12.05

佐藤ミキ『名もない花』インタビュー デビューまでの多彩な道のり

佐藤ミキ『名もない花』インタビュー デビューまでの多彩な道のり


◆『名もない花』
温かさの中に切なさや儚さがあると思った

――『名もない花』はTVアニメ『魔法科高校の劣等生 来訪者編』のEDテーマとしてオンエア中ですが、共感できたり、気になるキャラクターはいますか?

佐藤 一番好きなのは司波深雪です。冷静沈着で優等生で容姿端麗で落ち着いていて。でも、お兄さんのことになるとあたふたしてしまう姿が可愛いなって。

――今作は、作曲のイワツボコーダイさんと共同で作詞をされていますが、今まで、作詞の勉強はどのようにされていたのでしょうか。

佐藤 作詞の勉強というか……毎日とりあえず1曲は書いていました。

――今回は、自分の思うままに書くのとはまた違うスタイルで作詞をされたと思うのですが、苦労したところはありますか?

佐藤 『名もない花』では、私が書きたいものとイワツボさんが書こうとしているものが、ほぼ同じ方向を向いていたんです。今回の作詞は、最初に書いてみたものを出して、イワツボさんからも出していただいて、また書いて……というやり取りでだんだん詰めていきました。とてもスムーズに進められたと思います。

――最初の段階から、コンセプトが一致していたんですね。

佐藤 はい。お陰で、どうしたらもっと良くなるかっていうお話ができました。

――佐藤さんは、どんな時に歌詞が思い浮かびますか?

佐藤 私は北海道出身なんですが、北海道の中でも旅行で行けるところがたくさんあるので、そういうところに行ってイメージしていました。大学は片道2時間くらいかかるところだったので、ほぼ毎日旅行みたいになっていたんですが、通学バスの中のようなリラックス空間や、ちょっと落ち着いた時、無音の時に思いつくことが多いです。

――楽曲を最初に聞かれた時は、どんな印象を抱かれましたか。

佐藤 本当に最初に思ったのが、「超バラード」。至極のバラードだなっていう印象があって。アニメ作品のEDとして書きたいことが乗りそうな曲だなと思いました。

――歌う際に工夫されたことや、意識されたことはありますか。

佐藤 この楽曲には、温かさの中に切なさや儚さがあると思ったんです。例えば作品の中でいうと、司波深雪は「妹」だから、今好きな人であるお兄さんと一緒にいられる。それで不満はないけど、本当は特別な感情を抱いていて。だけど、それは知られてはいけない、表に出してはいけないという想いなので、ただ温かい声だけではなく、切なさから来る悲しさだけの声でもなく、両方感じられるような歌い方ができるように意識しました。

――どのような雰囲気のレコーディングでしたか。

佐藤 この曲は、初めてリモートでレコーディングしたんです。新しい挑戦でした。

――リモートでディレクションしてもらうという流れだったのでしょうか?

佐藤 はい。ディレクターさんだけスタジオに入っていただいて、イワツボさんはリモートで参加していただけました。お互いのイメージの部分は相違なくできたと思います。コロナによりレコーディングまでの期間があったので、いろいろな表現や自分の中で見える絵を突き詰めてから収録できました。私の中では充実していたと思います。

――レコーディングに臨む前に、ご自分の気持ちと向き合えたのですね。

佐藤 はい。同じ曲を歌うのでも「すごく楽しかった」っていう時と「すごく嫌なことがあった」っていう時では、伝えたいフレーズが変わることもあるだろうし……。何回も歌詞を読んだりしていると、「こういう曲だと思っていたけど、こうかもしれない」っていう、見える空気のようなものがだんだん深くなっていくんです。なので、時間をいただければいただくほど、歌も変わっていくというか。そうした部分を『名もない花』でも出せてよかったなと思います。

――MV撮影についてですが、メイキング動画を拝見しました。初めてとおっしゃっていましたが、緊張されましたか。

佐藤 緊張しました。今まで写真を撮ってもらうことはあったんですが、MVの撮影は初めてだったので。MVだと、自分がどういう風に見えているのかわからなくて……良い絵が撮れているかな、大丈夫かなって。でも、とりあえずついていこうって。楽曲のイメージや印象を表現することに集中しようと思っていました。

――MVの衣装ですが、すごく楽曲に合っていると感じました。こちらの衣装は、佐藤さんもご一緒に相談されたりしたのでしょうか。

佐藤 そうですね、色は白がいいなと思っていました。デビューシングルでもあったので、まっさらな状態というか……ここからどんどん色がついていくっていう意味も込めています。MVも、だんだん色がついていくという演出になっているので、注目していただきたいです。

――MV撮影の中で、印象に残ったことはありますか。

佐藤 すごく照明にこだわってセッティングしてくださったんです。設営だけじゃなく、撮ってみてのやり直しも含めて、時間をたくさんかけていただきました。


出雲ゆき弥

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